北海道への旅、三度目 6

 いよいよ北海道旅行に出発する日が来た。持って行くもののチェック欄にはすべて丸が付き、あとは荷物を車に積み込むのみ。舞鶴には夜に着けばいいので、出発は午後1時に決め、午前中出雲へ墓参りに行った。参る箇所は3か所。伯父の菩提寺、伯母の菩提寺、そして、家の墓。いつも行く父の実家の墓は、北海道旅行の土産を持って行く時に参るつもりだ。墓参を終え、キュウリ、ナス、ピーマンを収穫。キュウリ2本は旅先に持って行くことにし、残りの収穫物は全部娘に引き取ってもらおうと玉湯に寄る。「昨日はお世話になりました。寛大の日記、2ページ書くことになっててね、ジジがJAFカードを車の中に忘れて、ババが取りに行ったこと、松江城に入るのにジジとババが無料で、土曜日は松江市内の小学生も無料だったことを書いたところで2ページ終わってしまったわ」と、娘は笑いながら言い、「気を付けて行ってきてね」と付け加えた。

 家に帰り、少し休憩して昼食、残ったものは弁当箱に詰めた。フェリーが舞鶴港を出港するのは夜の11時50分。それまでに夕食を摂り、待機して渡航手続きとなる。

 荷物を積み込む。車中泊用のシートに寝袋、一番重いプラスチックケースの中にはカセットコンロに鍋、食器類、ペットボトルの飲料などが入っている。段ボール箱にはカップ麺、缶詰、キュウリ、マヨネーズ、弁当などの食料、風呂敷包みには着替えや、体温調整用に長袖が。ボストンバッグにはフェリーに持ち込む2日分の着替えや洗面道具、薬類など。

 積み込みを終えたところで、私はお隣さんにしばらく家を空けることを伝え、夫は回覧板をとばしてもらうよう、裏の家に言いに行った。窓の施錠を確認し、玄関の鍵を締める。

 出発予定の午後1時より10分早いけど、二人ともはやる気持ちを抑えきれず、車のエンジンをかけた。フェリーを予約したのが一か月前で、その前から少しずつ準備を重ねて来た旅行にいよいよ出発だ。高速に乗り、料金所で初めてETC専用の車線に入る。この日のため、ETCを付けた。速度を緩め、ゲートに突入。目にも止まらぬ速さでバーが跳ね上がり、そこをすり抜ける。「おう」自分の運転でその経験をするのは初めてなので、夫が声をあげた。