ちくていのラーメン

 夜の松江には、大将が無愛想だと評判のラーメン屋があります。新大橋の北詰西側の川沿いにある『ちくてい』さんです。一時期周辺道路の工事準備のため姿を消したのでもう閉められたのかなと思っていたところ、いつの間にか少し引っ込んだ場所に新装開店されていました。

 〆のラーメンと言われるほど居酒屋とラーメン屋は切っても切れぬ関係にあります。医学的にみても飲んだ後は体が塩分やら炭水化物やらを欲している状態にあるらしく、だったらお茶漬けでもうどんでも良さそうな感じですが、やはりラーメンは別格といったところでしょうか。

 さて、その『ちくてい』さんですが、隊員は以前のお店のときに数回、リニューアル後は1回しか行ったことがありません。その程度の印象で語れば確かに大将は無愛想です。けどワンオペで全てを要領よく回そうとすれば黙々と仕事をこなさぜるを得ないというのもむべなるかなとは思いますが。

 よくあるファミレスみたいなラーメン屋さんのように、店員さんの「いらっしゃいませ!」「何名様ですか?」「こちらへどうぞ!」といった丁寧な対応が当然と考える方から見れば確かに接客は良くないでしょう。入ってもあんまし反応が無いし、席の案内もないし、注文のタイミングも掴めない。今風に敢えて言えば二郎系ならず放置系でしょうか。けど無愛想も個性だと思えば気にもならないし、様々な店の雰囲気を味わうのも探検の楽しみなのです。

 先だって訪れた際は久々だったので写真を撮っておこうと思い、それでも何か言われたら嫌なので「写真撮っても良いですか?」と大将に声を掛けたのですが、戻ってきた返事がこうでした。「どうぞ、たいしたもんじゃないけどね」つまりこの大将、単に謙虚で人見知りなだけなのかもしれません。

 そんなことより問題はラーメンそのものです。所謂昔ながらの松江ラーメンで、鶏や豚で出汁を取ったと思われる黄色っぽくて少し濁ったあっさりスープに松江市民にはお馴染みのボソボソした食感の縮れ麺、それにチャーシュー、メンマ、もやしにネギ。良い感じではありましたが、何故だか今回は塩味をきつく感じたのです。連れもそう言っていたので私の味覚異常ではないようです。また近いうちに食べてみて、たまたまだったのか確認せねばなりますまい。