松江の観光グルメと言えば出雲そばです。長野の「戸隠そば」岩手の「わんこそば」と並んで日本三大そばと呼ばれています。丸く平たい器に盛った冷たい蕎麦に出汁をかける「割子そば」と、茹でた蕎麦を水洗いせずに茹で汁(いわゆる蕎麦湯)ごと丼によそって出汁をかける「釜揚げそば」が名物です。

 この出雲そば、そもそも松江城主の松平直政公が信州から転封された折に蕎麦職人を連れてきて城下に広めたのが始まりと言われています。故に休日の松江城周辺の蕎麦屋さんはいつも行列です。蕎麦で一杯やるのも粋で乙なものですが、大抵のお店は昼だけの営業なので観光客で混雑する昼食時にゆっくり一杯という訳にもいきません。そこで探検隊は夜にお酒も楽しめる蕎麦屋さんを探索し、よさげなお店を数件発見しました。

 まずは古い街並みが残る石橋町の『きがる』です。以前は昼のみでしたが、日時限定で夜営業もされるようになりました。お酒は日本酒と瓶麦酒、肴は天ぷら、そばがき、そば豆腐といったところでしょうか。あとはお好みの蕎麦でまた一杯です。このお店は「割子」「釜揚げ」の他に、季節によって「茗荷そば」「すだちそば」「鴨なんばん」「岩のりそば」といった変り種も用意されているのが特徴です。

 お次は京店にある『そば遊山』です。基本夜のみの営業ですが、昼も予約は受けているようです。こちらは旬の素材を使ったそば前で純米酒を飲ってから蕎麦で〆るという本格的な蕎麦呑みのお店です。なので必ず!一人一人前の蕎麦を注文しなければなりません。しないとどうなるかは定かではありません。

 続いて東本町の『絢瀬』です。こちらは前回紹介したAAOの系列店で、夜のみの営業です。若いお兄さんが一人で切り盛りしていて、なんと蕎麦の茹で方には自信があるとのたまっていたのでお試しあれです。居酒屋感覚で使えて遅くまで営業されているので酔いたんぼにはありがたいお店です。

 ちょっと変わったところでは竪町の古民家の蔵を改装した『雲瀬』があります。繁華街から離れた静かな立地と建物は、隠れ家と呼ぶにふさわしい独特の佇まいと空気感をまとっています。昼夜ともに営業していて密かにオススメですが、席数が少ないので予約が確実です。

 では皆様、出雲そばと島根の地酒でごゆるりと。