箸袋を巡る旅は続きます。まずは『松江肉炉端 阿雅紗』。駅前ビル、松江テルサの2階に以前あった肉料理のお店です。しばらく空き店舗になっていたのですが、つい先だって『奥出雲そば処 一福』がオープンしました。今年1月に店仕舞いした、同じ駅前の一畑百貨店6階にあった店舗の引っ越し先になります。

 店名のとおり頓原に本店があるそば屋ですが、以前伊丹市に住んでいた知人を訪ねて行ったとき駅前通りに同じ名前のそば屋があり、それが支店であると知り驚いた記憶があります。なしてこげなとこにと思ったものです。

このそば屋の名物は地元産の舞茸天ぷらと舞茸ごはんです。TBSの「せっかくグルメ!!」でも紹介されて大人気となりました。けど私は舞茸があまり好きではないのでお金を払ってまで舞茸料理を食べたいとは思いません、ごめんなさい。

お次は駅前通りにある『炉端かば』。行ったことはなくても名前は皆さん知っている(筈)有名なお店です。地元発祥の居酒屋ですが、山陽、関西、関東地方にも進出しているという実に見上げたど根性のお店です。あまり個人で行くことはないのですが、大人数の宴会にピッタリの使い勝手の良い居酒屋です。

 以前(今回こればっかりですが)妻と二人で東京ディズニーリゾートへ遊びに行った折、予算の関係で新橋のビジネスホテルを拠点にしました。夜に飲み出かけようにも当時はスマホなんぞも無く、不案内な田舎者は様子の分からぬ妖しげな居酒屋に入る勇気もなく途方に暮れていました。そんなときに、見つけたのです。かばの新橋支店を(残念ながら今はありません)。暗中に一筋の光りを見つけるとはこのこと?です。故郷に帰ったような懐かしい思いで入店しました。

このお店の料理で驚いたことが二つ。一つは宍道湖産しじみ汁の蜆が地元のスーパーで売っている物とは比べ物にならないほど大きかったことです。蜆の産地に住んでいながら、蜆がこんなに大きくなるなんて知らなかったのです。大きな蜆は全部都会に流れて行っちゃうんだなと井の中の蛙は思ったものでした。

 もう一つは割子そばの器が円形ではなく四角だったことです。後で調べたら、元々は重箱に蕎麦を詰めたのが始まりで器は四角だったのですが、隅っこが洗い難く不衛生なので丸くなったと知りました。わざわざ東京まで行って松江の名物を食べなくてもと冷笑されそうですが、今では何もかもが懐かしい想い出です。(続く)