諸橋 弦
松江市街地は宍道湖と中海を結ぶ大橋川により南北に分断されていて、それが5本の橋によって結ばれています。
その中の一本“新大橋”を中心にして橋北には「東本町(通称とうほん)」、橋南には「伊勢宮町(通称いせみや)」という飲み屋街が広がっています。
東本町は松江城下で古くからの町人町であったことから庶民的で落着いた雰囲気、それに対し伊勢宮町は新地で遊郭もあった名残からか妖しく混沌とした様相を呈しています。
日も暮れ始めるとこの二つの町周辺は昼間の静けさとは打って変わり、美味しい酒と肴、そして憂さ晴らしを求める酔い客らで溢れ、怪しくも魅力的な顔を見せ始めるのです。
諸橋 弦(もろはしげん)
酒好き夫婦で夜の松江を探検すること15年余。流石に最近は寄る年波には勝てず、酒量は減ったが気力でもうひと頑張り。酒は何でもいけるが、好物は安ウイスキーのソーダ割り。