2020年4月18日 / 最終更新日 : 2020年4月18日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 電話の向こうで(2) 鳴り止まぬ電話を朝から夕方まで受け続ける。たまにパタッと止まるときがあって、一息入れたり、別の仕事に取りかかったりするが、どこかでゴングでも鳴っているのかまたひっきりなしにかかってくる。これも仕事と割り切るけれど、退職 […]
2020年4月12日 / 最終更新日 : 2020年4月12日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 電話の向こうで こんなことがあると、何でもかんでも「これまでどおり」でやってきたんだよなあ、と改めて気づく。新型コロナウイルスのことだ。 これまでとまるっきり違う四月になった。いつもだったらあれもこれもと出かけさせられる研修だの連絡会 […]
2020年3月15日 / 最終更新日 : 2020年3月15日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 一人旅(4) 「ふとんさ、敷いてやれ。」 お爺さんがお婆さんに言う。「いや、寝袋持っていますから。大丈夫です。」 まだ、人の好意に甘えることに慣れていない十八歳だ。軒先貸してもらって雨さえしのげればいい、と言ったのは嘘じゃない、食事も […]
2020年3月8日 / 最終更新日 : 2020年3月8日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 一人旅(3) エンジンをかけないまま、オロフレ峠の長い長い坂を下りていく。「原付だけんね。一時間走ったら休ませちゃらんと。」 七千円を購入したとき、バイク屋のオヤジさんが言っていた。まったくそんな気遣いをせず、ずっと走り通しだったこ […]
2020年3月1日 / 最終更新日 : 2020年3月1日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 一人旅(2) いくらなんでもあんまりだろう、なんでこんな目に遭わなくっちゃいけないのだ、といわば怒りに駆られて自転車を購入した。一人旅を決行するために、七千円でバイクを買った四十年前と同じように。 あのとき必要だった冒険が、今また必 […]
2020年2月23日 / 最終更新日 : 2020年2月23日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 一人旅 高校を卒業した春休みにバイクで一人旅することを思いついた。ようやく学校が終わったという解放感をこんな形で収めないと体のむずむずが止まらないのだった。 近所のバイク屋で最安の中古を買った。七千円だった。新聞配達のアルバイ […]
2020年2月8日 / 最終更新日 : 2020年2月8日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 再任用 K君とはす向かいで飲んだ。彼は、中学校の校長をしている。同学年であるゆえに、ずっと前から知ってはいるのだが、それほど親しかったわけではなく、これまであいさつを交わす程度だった。必要があってしばらく込み入った話をしていた […]
2020年2月1日 / 最終更新日 : 2020年2月1日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 聞かざる 職場の忘年会で乾杯のご発声をと促されて、マイクの前に立った。あいさつなどしなくてすむならそれに越したことはないが、この年になると避けては通れない。 若い頃は、何のためにあいさつなどするのだろう、とはなから聞く気もなく、 […]
2020年1月12日 / 最終更新日 : 2020年1月18日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 枕木山 「元日、枕木山に登らない?」 山仲間との忘年会で誘われた。松江の地元ではそこそこ名の通った山なのだが、主にはテレビ塔がある山として親しまれている。「殿さん道っていう松江城主が通った道があってね、そこを通ってみようと思うん […]
2019年12月23日 / 最終更新日 : 2020年1月18日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 K先生 K先生は、小学校一、二年生の時の担任である。にこにこ寄席が新聞の一面に出たことで先生の目にとまり、そこにあったぼくの職場に、「今さらと思ったけどね、なんかあなたの名前は覚えていてね、思い切って出したわね。」という葉書が […]