2024年12月8日 / 最終更新日 : 2024年12月8日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 汚物のはなし どうにも違和感が拭えない、と電話口で話すその人をAさんとしておく。ホテル経営をしている知人がこんな話を聞かせた。 ある女性宿泊客が誤って指輪をトイレに流してしまった。それを聞いたホテルは、従業員たちで汚水槽に入り、手 […]
2024年12月1日 / 最終更新日 : 2024年12月1日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 髪② バリカンを手にした年配の女性理髪師は、何ミリにするのかとか何も考えていないこちらが困る質問をいくつかし、その適当な答えを危ぶんだか、「奥さんに叱られませんか」と念を押してきた。もちろんちゃんと言ってあると答えたが、妻に […]
2024年11月23日 / 最終更新日 : 2024年11月23日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 髪① 月に一回の座禅会をするようになって3年が経つ。始めたころはどうしても瞑想とか悟りとか大仰なことを考えてしまっていたが、回を重ねるとそうした特別感もなくなって、ただ呼吸を意識する1時間になっている。そうなるにつれて、あっ […]
2024年11月17日 / 最終更新日 : 2024年11月17日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 馴染む サ高住での稽古も4か月が過ぎた。何度も直に顔を合わせていると自ずと化学変化が起きるものだ。入居者の年齢層は90歳前後、子どもたちとは80年を隔てる。 ぼくが物心ついたときには、曾祖父母は父方母方ともに物故していたから […]
2024年11月2日 / 最終更新日 : 2024年11月2日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 9千円 山仲間で用瀬アルプスに登った。もちがせ、と読む。流し雛で有名な鳥取市用瀬町にある。洗足山、おおなる山、三角山と連なっているその稜線を歩く。いちばん高い洗足山が標高743メートルに過ぎないので舐めてかかっていたら、アップ […]
2024年10月27日 / 最終更新日 : 2024年10月27日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 にわか寄席 とある自治会が2度目の寄席に呼んでくれた。前回とても評判がよかった、と聞いていたので、会場に入って用意された座席を見たとき、そのあまりの少なさに意表を突かれる思いがした。初回ならともかく2回目のこれは激減が明らかで、前 […]
2024年10月19日 / 最終更新日 : 2024年10月19日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 出雲弁のはなし⑥ その子は、これまで件の出雲弁落語を3度高座にかけたが、どの回にもぼくからすれば少々特異と思える反応をいただいている。子ども落語に関わって十数年、お客さんの反応はいくつかに類型化でき、表現は異なっていても、どれかにあては […]
2024年10月13日 / 最終更新日 : 2024年10月13日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 出雲弁のはなし⑤ 全編出雲弁落語をともかく一つこしらえて、その子に見せてみようと考え、共通語テキストの翻訳にとりかかった。これが自分でやっていておもしろくてならなかった。これまであまた文章を書いてきたが、ほぼ100パーセント無表情か眉間 […]
2024年9月30日 / 最終更新日 : 2024年9月30日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 出雲弁のはなし④ なんだかもったいぶった書き方になってしまったが、ぼくが今少しずつ書きためている出雲弁というのは、子どもたちの落語の台本である。 落語は時代が下るにつれて演芸として洗練され、話も磨かれて、全国どこへ持って行っても評価さ […]
2024年9月22日 / 最終更新日 : 2024年9月22日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 出雲弁のはなし③ 奥出雲でお世話になった某氏は、このところ言語研究に余念がない。事の発端は、奥出雲の言葉を集めて記録してほしいという依頼があったからだが、フィールドワークを重ねているうちにのめりこんでいった。というのは、氏の住まう地域だ […]