2022年10月9日 / 最終更新日 : 2022年10月9日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 中海の畔にて⑤ 植物に対して、ぼくはずっと冷淡だった。小学生のとき、理科の学習や購読していた雑誌の付録などで植物を育てざるを得なくなったことがあるが、どれもあっという間に枯れた。 長じて学校の教員になったときも、教室に飾られた花 […]
2022年10月2日 / 最終更新日 : 2022年10月2日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 中海の畔にて④ 初めは、ダイコンを一列だけ播くという話だった。 「しょっちゅう来れんのだけん、ほっといてもできるもんを作りゃあいいわね。」 それぐらいなら家庭菜園入門として適当だろう。やってみて物足りなければ増やしていけばいい。 […]
2022年9月23日 / 最終更新日 : 2022年9月23日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 中海の畔にて③ どうせ食べるのならうまいものを食べたい。とMさんは言う。これだけ切り取ってしまえば、だれだってそうだろう、で終わってしまうのだが、Mさんのそれには彼女がなめてきた辛酸が乗っかっている。Mさんの畑仕事を手伝い、ぼくの […]
2022年9月18日 / 最終更新日 : 2022年9月18日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 中海の畔にて② ここの畑からは中海は見えないのだが、まばらに立ち並んだ家の向こうには、大山とともに大きく広がっているはずである。黒々とした土は、ほくほくしていて、思わず「いい土だなあ」とつぶやいたら、聞こえたらしく、 「そりゃそげ […]
2022年9月4日 / 最終更新日 : 2022年9月4日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 中海の畔にて① 自分の生まれ育った、そして今も暮らす地をこんなに手放しで褒め称える人に出会ったのは初めてかもしれない。Mさんと話していてそう思った。自慢話には違いないのだが、聞いているぼくはちっとも不愉快でなく、まったくその通り、 […]
2022年8月27日 / 最終更新日 : 2022年8月27日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 黒猫 草取りや水遣りに通っているTさん宅の庭には猫が五六匹か、それよりもっといる。餌をやっているだけで飼ってはいない、というのがTさんの言い分だが、縁の下と庭を住処としており、飼っているのとどこがちがうのかよくわからない […]
2022年8月21日 / 最終更新日 : 2022年8月21日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 アリ・ハチ・ムカデ 外仕事を始めたころ、真っ先に購入したのが携帯式の蚊取り線香である。腰に下げておくとまず蚊に刺されることはない。一度ヤブ蚊の群れに襲撃され、不思議に思って見てみると線香の火が消えていた。以来、度々煙が出ているのを確か […]
2022年7月31日 / 最終更新日 : 2022年7月31日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 真夏日 35度を超える真夏日であっても、予定していた草取りは止めるわけにはいかない。こいつだいじょうぶかいなという不安顔の仲介者に、「絶対無理しないでください」「必ず休憩して水分をこまめにとってください」と口酸っぱく言われ […]
2022年7月24日 / 最終更新日 : 2022年7月24日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 中三の夏 例年そんなにありはしないのに、定年退職したのとコロナが落ち着いたのとで、今夏は中学の同窓会などいくつかの集まりに声がかかった。どれも「満を持して」と誘われたのだが、ここへ来て第7波の感染拡大に見舞われ、いずれも中止 […]
2022年7月18日 / 最終更新日 : 2022年7月18日 gosuitei 宮森健次 がらがら橋日記 草取り 毎日のように草取りに出向くことも、その労働の対価としてお金をいただくというのも、まったく初めての経験である。だからこれまで一度も考えたことがなかったようなことを考える。その一つ。自分の草取りは我流ではないかという疑 […]