2023年8月19日 / 最終更新日 : 2023年8月19日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 18 生家の思い出⑤ 祖母は、私が幼稚園に上がる頃は田舎へ帰っていた。母の姉である伯母の家で面倒をみてもらっていた左脚に麻痺が残る伯母を再び引き取り、細々とではあるが養蚕も復活させたようだ。田舎に帰ると、やはり蚕棚には桑の葉が敷き詰めら […]
2023年7月30日 / 最終更新日 : 2023年7月30日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 17 生家の思い出④ 母が田舎を離れ、一足先に泉南の大正紡績という会社で働いていた父のもとに向かったのは私が1歳を過ぎたばかりの頃。自分たちが暮らすだけでなく、祖母や伯母の生活費を送らねばならないので、母も働く必要があった。今のように託 […]
2023年7月22日 / 最終更新日 : 2023年7月22日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 16 生家の思い出③ 10時間以上に及ぶ移動の末、生家にたどり着き、玄関を開けると、豆電球一つの薄暗い土間。その暗い空間は、夏でもひんやりとしていた。「ただいま」と声を掛けると、ほの暗い中から、「もどったかや、ふぁふぁふぁ」と豪快な笑い […]
2023年7月16日 / 最終更新日 : 2023年7月16日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 15 生家の思い出② 出雲の家に帰省した際の記憶で、鬱蒼とした庭、怖い便所、黒くて高い天井と共にうっすらと残っているのが風呂だ。おぼろげな記憶だからかなり小さい頃だったと思うが、恥ずかしく感じる歳にはなっていたのだろう。庭にどんと置いて […]
2023年7月8日 / 最終更新日 : 2023年7月8日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 14 生家の思い出① 生家の登記権利証書は現在、私名義になっている。保存してある証書で一番古いのは、祖母が所有者だ。祖母は母の伯母で、子宝に恵まれなかった。母の実母には7人の子(末妹は夭折)がおり、下から3番目の母が成人してからこの家に […]
2023年7月2日 / 最終更新日 : 2023年7月2日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 13 生家⑤ 12年間に3度も葬式を出し、隣保の人たちには随分お世話になった。だから、隣保で誰かが亡くなると、手伝いに行かねばならないと思っていた。ただ、子どもが小さくて手がかかる上、仕事もなかなか休めないので、父の実家の主であ […]
2023年6月25日 / 最終更新日 : 2023年6月25日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 12 生家④ 生家の隣保も空き家だらけだ。東隣が空き家、溝を挟んだ右隣も空き家。道路を隔てた向かいも空き家。 私が住んでいた頃、隣保は10軒だった。高校3年生だった時に祖母が亡くなり、その五年後に父が、さらに7年後に母が亡くな […]
2023年6月18日 / 最終更新日 : 2023年6月18日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 11 生家③ 30年余り前に切った杉に代わって庭に我が物顔で突っ立っているのは欅だ。どこから飛んでくるのか、勝手に生える木がある。トベラや車輪梅は低木だからいいけれど、こんな巨木がやって来るとは。週1、2回畑に通う際は、草取りなどの […]
2023年6月10日 / 最終更新日 : 2023年6月10日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 10 生家② 家の中だけではない。庭もどんどん変わってきている。その中でも厄介なのが木だ。 祖母が生きていた頃の庭は、現存する柿に加え、杏が幾本かあり、果樹園のようだった。幼い頃の記憶には、築地松に覆われているうえ、木々がうっ […]
2023年6月2日 / 最終更新日 : 2023年6月2日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 9 生家① 私が生まれた家、現在全く使っていないというわけではない。週1、2回、畑に行く際、家を開けている。作業着に着替え、鉈やらスコップやら玄関の下駄箱付近に置いてある物を持って行き、用が済んだら元のところに戻す。 一昨年 […]