2023年10月26日 / 最終更新日 : 2023年10月26日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 25 生家の思い出⑮ 土の香りが消え、父の虚栄のような雰囲気の生家から遠のいた私は、新しい土地での暮らしの方に馴染んでいく。その間、家の状況は様変わりしていた。オイルショックを何とか切り抜けた父は図に乗ったのか、3軒目の工場を建てたり、 […]
2023年10月21日 / 最終更新日 : 2023年10月21日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 27 生家の思い出⑭ 生家から離れ、知り合いもいない地で学生生活を送ることになった。父の事業の方はオイルショックを何とか乗り切ったものの、音響メーカーからは手を引き、また縫製に切り替えていた。夏休みに帰省すると、今でいうエコバッグのよう […]
2023年10月14日 / 最終更新日 : 2023年10月14日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 26 生家の思い出⑬ 高校3年生になる前の春休み、毎年祖母が参加する隣保の人たちとの慰安旅行に付いて行った。バスで松江の旅館まで行き、演芸を見ながら昼食を摂ったり、歓談したりして過ごすのだ。隣保の人とそう話をすることもなかったのに、なぜ […]
2023年10月7日 / 最終更新日 : 2023年10月7日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 25 生家の思い出⑫ 工場を建てる前、便所の隣の納屋には農作業に使う様々な物が置かれていた。その中に養蚕に関する物もあり、ひとまずは工場の一隅に保管してあった。天井がはられ、祖母も養蚕はすっかり辞めてしまったので、関連する道具一切処分す […]
2023年9月30日 / 最終更新日 : 2023年9月30日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 24 生家の思い出⑪ 田舎の家や学校に少しずつ慣れていた私と違い、父、そしてその仕事を手伝う母は、毎日が戦争だった。ずっと会社勤めだった父が事業を立ち上げるというのがまず無謀だ。しかも、洋布団などという、売れるか売れないか未知の物への挑 […]
2023年9月24日 / 最終更新日 : 2023年9月24日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 23 生家の思い出⑩ 家の暮らしに次第に慣れてくると、学校生活にも少しずつ馴染んでいった。言葉は出雲弁になっていき、一緒に教室移動したり休み時間に話したりする相手もできていった。 ただ、困ったことがあった。給食だ。泉南の小学校は弁当だ […]
2023年9月16日 / 最終更新日 : 2023年9月16日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 22 生家の思い出⑨ これまでも里帰りした際に伯母は祖母と一緒にいたので他人という意識はなかった。ただ、一つ家の下で暮らすとなると、身内として感じることが多々出て来た。 伯母が家でする仕事は、竈の火の番、消し炭を壺に収めること、畑での […]
2023年9月10日 / 最終更新日 : 2023年9月10日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 21 生家の思い出⑧ 今も土いじりが好きで、猛暑日でも畑に向かうのは、祖母や伯母に付いて畑に行くようになったことが大きいと思う。気が向いた時に行く程度だったけれど、土に触れる感覚が身体の中を流れるものと呼応したのだろうか。泉南では、小さ […]
2023年9月2日 / 最終更新日 : 2023年9月2日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 20 生家の思い出⑦ ♪大阪の子 大阪の子 背の高い 大阪の子 大阪の子 そういう歌があったようだ。その歌詞の背の高いを、背の低いに替えて歌う子がいた(当時の私は背が低く、前から2番目だった)。出雲市立第二中学校という一学年8クラスの大 […]
2023年8月26日 / 最終更新日 : 2023年8月26日 gosuitei 木幡智恵美 空き家 19 生家の思い出⑥ 泉南から出雲に帰ったのは、小学校を卒業してすぐだった。父がある事情で会社に居られなくなり、母が務める会社の社長からの提案で、出雲で事業を始めることになったのだ。 私は家の近くにある中学校に進み、「ソフトボール部に […]