2024年9月9日 / 最終更新日 : 2024年9月9日 gosuitei 木幡智恵美 老い老いに 2 物置の奥から段ボール箱を引っ張り出し、中からB4版のファイルを取り出す。長い間目に触れられずにいた印刷物に目を通す。1993年4月23日、夕焼け通信第1号だ。通信が始まった経緯を、発起人の一人である当時の幼稚園長Nさん […]
2024年9月1日 / 最終更新日 : 2024年9月1日 gosuitei 木幡智恵美 老い老いに 1 夕焼け通信という週刊通信が始まったのは1993年4月。その頃の私はまだ30代だった。子育て真っ最中で、長女が5年生になり、長男が小学校に入学したばかり、二男は保育園の年少だった。毎日追い立てられるような生活で、朝洗濯物 […]
2024年8月25日 / 最終更新日 : 2024年8月25日 gosuitei 木幡智恵美 北海道への旅、三度目 18 「フェリーが新潟からも出ててなあ、それだと夜中出港じゃないから楽だと思うんだけど。フェリー代も舞鶴からより安いし。ただ、新潟までだと車で11時間かかるけど、どう思う?」 まだ梅雨が明けないうちから夫の口から北海道旅行の […]
2024年8月3日 / 最終更新日 : 2024年8月3日 gosuitei 木幡智恵美 北海道への旅、三度目 17 靴の裏が真っ平、つるんつるんだったのだ。数日前、雨の中を歩き、最近買って履き出した靴が濡れたので古いのを出した。その靴は履き心地が良く、ずいぶん長く使っていた。足の裏のほんのすぐ下に地面を感じるくらいまでになったので、 […]
2024年7月28日 / 最終更新日 : 2024年7月28日 gosuitei 木幡智恵美 北海道への旅、三度目 16 自分が意識しないうちにことが起こってしまったという、得体のしれない恐怖感。高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違えて事故を起こしたというニュースをたまに耳にする。不幸な場合には死傷者が出、訴訟事件に発展することも。私は全 […]
2024年7月22日 / 最終更新日 : 2024年7月22日 gosuitei 木幡智恵美 北海道への旅、三度目 15 事故に遭った縁起の悪い車というより、激しい衝撃から守ってくれた車であることの方を選んだ私は、次にTさんが来られた日「前のと同じにします」と答えた。 新しい車が来たのは10月28日、事故から1か月半近く経っていた。これ […]
2024年7月15日 / 最終更新日 : 2024年7月15日 gosuitei 木幡智恵美 北海道への旅、三度目 14 朝、本当なら函館のホテルで目覚めているはずなのにと思いながら起き上がる。旅行日程が終わる予定日まで、こんな朝が続くのだろうか。 幸いというか、北海道に行けなくなったお陰で、孫たちが通う玉湯学園の運動会を見に行くことが […]
2024年7月7日 / 最終更新日 : 2024年7月7日 gosuitei 木幡智恵美 北海道への旅、三度目 13 事故から2日後となる火曜日の朝、今頃は小樽港近くにある観光駐車場の車の中にいる筈、夜遅くにフェリーが着くから、まだ眠っているかなと思いながら布団から起き上がった。 夫はまだわき腹が痛むようだ。私のふくらはぎは押さ […]
2024年6月30日 / 最終更新日 : 2024年6月30日 gosuitei 木幡智恵美 北海道への旅、三度目 12 翌日、二人とも体調に変化なく普通に起きた。夫の左わき腹、私の右ふくらはぎの痛みは前日と同じ程度で、それ以外に不調はない。いつものように早朝の散歩に出た。 朝食は、荷物に入れていたキュウリと魚肉ソーセージ、冷凍していた […]
2024年6月23日 / 最終更新日 : 2024年6月23日 gosuitei 木幡智恵美 北海道への旅、三度目 11 真っ暗な家の前にたどり着いた。助手席から降りると、車のことは夫に任せ、玄関の鍵を開けて中に入る。昼間の熱気が家中に籠っているので、一階から二階へと窓をみな開け放つ。そして、車が車庫に降ろされると、夫がJAFの方と話して […]