老い老いに 58

 10月になっても異常な暑さが続いたかと思ったら、いきなり寒くなり、何を着ようかと迷う日が続いた。11月に入ってようやくこの時季らしい気候になって安心していると、街にはすでにクリスマスツリーが飾られ、新聞には今年の流行語大賞の候補が並んでいる。もう今年も終わりに近づいてきたのだ。年々年の瀬の到来が早くなっているように感じる。

 さて、夕焼け通信の2004年度も年が明け、2005年に突入した。この年のわが国での10大ニュースは次の通り。

 一、衆院選で自民圧勝、郵政民営化法成立 二、JR福知山線で脱線事故、107人死亡 三、マンションなどの耐震偽装発覚 四、ライブドア、楽天がTV局株大量取得 五、全国でアスベスト禍 六、東証出来高バブル時上回る 七、愛知万博開催 八、小泉首相の靖国神社参拝で中韓とあつれき 九、小学女児殺害、高一の凶行で衝撃 十、紀宮さまご結婚

珍しく自然災害が10位の中に入っていない。けれども、あれこれ災害は多発している。台風14号は全国61箇所で観測史上最高の日雨量となり、東北・北陸は豪雪で最深値を更新している。四国では渇水、宮城県沖では地震、東京都心は集中豪雨に見舞われた。

 2位の福知山線の脱線事故は衝撃だった。未曽有の事故で多数の犠牲者が出た。命は助かったものの脳損傷で長く生きられないと言われていた鈴木順子さんのその後を映した番組を見たことがある。長い闘病生活の後高次脳機能障害を抱えながらも陶芸活動にいそしんでおられた。最後の生存者林浩輝さんは、事故が起きてから22時間後に救出された。折り重なった何人もの乗客の下敷きになっていたため救出に手間がかかり、限界が近づく中で医師が救命措置を施しながら励ました。クラッシュ症候群のために両足切断となったが、様々な困難を経た今は車椅子バスケットで汗を流し、職場では何十人もの部下の指導にあたっておられる。

 海外では、とてつもなく大きな自然災害が起きている。アメリカでは大型ハリケーンが南部を直撃し、死者1,836人、行方不明者135人という多くの犠牲者が出た。パキスタンではマグニチュード7.6の大地震が起き、死者は何と7万人を超えた。自然は驚異であり脅威でもあるのだとつくづく思う。