人生の誰彼 31 2025年問題

 いささか旧聞に属するかもしれませんが、ビデオテープの『2025年問題』なる話題がテレビや新聞の記事として賑わったことがありました。

 何のことかと思えば、世間をデジタルが席巻する以前の映像記録媒体であったビデオテープが、録画再生デッキの製造終了及び修理部品の供給停止やテープ自身の劣化によって遅かれ早かれ見られなくなりますよ、という話のようです。その状況が今年辺りから急速に深刻化していくと言われているのです。

 調べてみると、ある国際機関が出した『マグネティック・テープ・アラート』という警告がことの発端で、長年に渡って博物館や教育機関等で広く使用されてきた磁気記録テープには貴重な映像が多く残っているから、デッキやテープが使用可能な今のうちにデジタルデータ化するよう推進しているのだそうです。

 実際、家庭レベルで考えてみても還暦以降の年代の方々が若い頃の動画撮影はVHSテープ等を使用するビデオカメラが主流だったので、家族を撮った懐かしい動画や結婚式の恥ずかしい映像が残っていたら早めに対応する必要はあろうかと思います。でも、どうやってテープをデータ化するの?って話しですよね。

 私が思いつく限りビデオテープの中身をデジタルデータ化する方法は三つあります(1)ビデオデッキとDVD(ブルーレイ)レコーダーをAVケーブルで繋いでディスクにダビングする(2)ビデオデッキとパソコンをデジタル変換ケーブルで接続して動画ファイルとして保存する(3)専門業者に出す。

 最初は(1)の方法を考えたのですが、少々手間なうえにDVDやブルーレイもそのうち今回の2025年問題と同じ状況になってしまう恐れがあるので(2)のビデオ映像をデータ化してパソコンに取り込むことにしました。方法としては、ネットショップでビデオキャプチャーケーブルなるコードを購入してビデオデッキとパソコンを繋いで、録画ソフトをネットからダウンロードして使います。今使っているケーブルは2千円ほどの安価品ですが何の問題もありません。

 ただし、どっちにしても現役稼動中のビデオデッキが無ければどうしようもありません。今使っているデッキは二十年以上昔のポンコツで、一度動かなくなったことがあり分解してみたら駆動ベルトが切れていたので太目の輪ゴムで応急処置がしてある代物です。私が耄碌するまでは元気でいて欲しいと願っています。