空き家 7 これからの家①

 

 道路を挟んだ斜め前の家は、一人暮らしの方が施設に入られ、しばらく空き家になっていた。昨年縁者である若夫婦が住むようになり、ここのところ改装でもされるのか、軽トラが出入りしている。少し先の、ご夫婦共に施設に入られて一昨年家を解体して更地になっていたところには家が建つ。クレーンが入ったなと思って行ってみると、柱が何本も立てられた。こういうのを在来工法というのか。住まわれるのは、以前住んでいたご夫婦の縁者か全く違う人かは分からない。息子の友だちが住んでいた近所の数軒ある住宅は、うちより後から建てられた。そのうちの一軒は、ご夫婦で施設に入られた後空き家になり、時折息子さんらしい方が掃除や庭木の手入れに来ていた。そこが今改装中だ。

 近頃散歩途中、家をつぶした後に新築する家やリフォームする家をよく見かける。中には、この前基礎を作っていたのに、次に通りかかった時には一階部分が出来ているというところもある。在来工法のより、そちらの方が圧倒的に多い。そして、駐車場は3台分以上がほとんどだ。我が家を建てた頃はそういう見通しなどなく、子どもたちが車を持ち出すと、近所の駐車場を2台分借りなければならなくなった。

 生家や現在住んでいる家の行く末に関心が向いている今だから余計に目に付くのかもしれない。業者の名前がびっくりするほど多い。見慣れない名前がたくさんあるので夫にそのことを話すと、「以前は工務店だったのが、しゃれた名前に変えたんじゃないか」と言う。そうかもしれない。とにかく、建築業者の多いこと、リフォームの会社の多いこと。

 コロナ禍からリモートワークが増え、そのために自宅で仕事できるようにと改築したり、思い切って家を建てたりといったことがあるのだろうか。金利が低い今のうちにというのもあるかもしれない。家は暮らしの場であり、そこに住まう一人ひとりの人生を築いていく場だ。子どもがいる家は、その成長を中心に据え、家族が共に育っていくところ。家が建ち、リフォームされる様を見ていると、それだけで活力が沸いてくる気がする。