がらがら橋日記 松江算数活塾①

 

 郵送している皆さまにはすでにお知らせしているのだが、学習塾を始めることになった。元々考えていたことではさらさらなく、あれこれ動き始めている今になってもどこか狐につままれているような感じが抜けない。

 去年の秋口に川上教諭が我が家を訪ねてきた。彼とは高尾小学校で一年ともに過ごした。わずか一年だったが、その間に「にこにこ寄席」はぼくのクラスの取り組みから全校児童のものになり、その年の終わりの卒業公演は、ちょっと忘れがたい傑作になった。へき地教育、複式教育に精通した目には、にこにこ寄席がぼくとはまた少し違ったものに見えたらしい。彼の再定義と新たな価値付け、さらには精力的な実践がなければ、十年経っての全国表彰はあり得なかった。

 川上さんが言うには、定年後に算数塾を開くことにしたので手伝ってほしい、ということだった。算数の専門家で附属小の教員や県の指導主事を長く勤めた人だから、その能力を活かすにはぴったりだ。だがぼくはとても適任とは言えない。ぼくの顔に浮かんだ?マークを読み取って、「いや、落語教室を担当してください。」と言葉を加えた。マークが増える。

 詳しく話を聞いてみると、起業に向けた学習会で、講師から「使えるものは何でも使え」とアドバイスを受けた。高尾小で落語をしていた話をしたら、それを使わぬ手はない、と強く勧められたのだと言う。算数と落語、イメージとしては対極だが、だからこそひっつけたらおもしろい。それで先の依頼になった。

 塾長川上さんは、ぼくが断るかもしれないとは一切思わなかったらしく、できあがった事業計画書にはしっかり組み込まれていて、読んでみるととっくに承諾していた気分になった。老後資金をつぎ込むわけでもないので断る理由もなく、落語をやってみたいという奇特な子どもが一人でも現れたら、何だかおもしろいことになりそうなので、引き受けることにした。誘いには乗ってみろ、というのを定年後の心がけの一つにしているが、まさかこんな誘いがあるとは思わなかった。

 今は、七月の開校に向かって塾長は忙しくしている。ぼくはと言えば、頼まれた仕事をちょっぴりする程度で楽させてもらっている。その仕事の一つが、ホームページづくりで、ついこの間開設した。

https://katsuzyuku.jimdofree.com

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 ネット環境のある方、ちと面倒ですが右のURLを入力すればご覧いただける。せっかくなので塾に関係あるなし関わらず、読んでおもしろいものにしたいと思う。忌憚のないご意見をいただければ幸いである。