空き家 蘇る家②
NTT社員用の長屋が壊された後、しばらくは空き地になっていた。我が愛犬エリーをそこでよく走らせたものだ。何年かして建売住宅が2軒建ったが、1年以上入居者がなかった。1軒にようやく4人家族が入られた頃には、我が家の子どもたちは大きくなり、家から出る者、学校を終えて帰って来る者など出入りがあり、奥の家は次々に空き、子どもの声が聞かれなくなっていた。建売住宅の一軒に入ったのは、小学生と高校生の居る一家で、隣保に見る久々の子どもの姿だ。少し経ってもう一軒に入られたのは、やはり2世代の家族。そこの子世代は皆大きく、毎朝仕事に出掛ける車の音が聞こえた。ところが、後に入られた一家が住まれたのはわずかな期間で、別の場所に家を建てて出られ、また家だけが残ってしまった。
そこに借家という形ではいられたのが大家族。二女さんに子どもが出来たので、その面倒をみるのに両親も共に住むという一家だ。三女、四女も同居し、ご両親、二女夫婦の6人、車は敷地内に入りきらず、駐車場を借りておられた。
娘が第一子出産後の育児休暇中で、よく我が家に来ていたのだが、お隣の二女さんと顔を合わせてお互いびっくり。何と、娘が住む町の母親教室で一緒したことがある人だったのだ。やはり玉湯のアパートに夫婦で住んでいたという。生まれてくる子どものために娘夫婦と同居するご両親はどちらもまだお勤めで、遠くの職場まで毎日通われた。お腹の子は無事生まれ、その後、娘が女の子を出産すると、半年後にお隣には二人目の男の子が生まれた。親しくさせてもらっていた大家族は、やがて玉湯に家を建てて出て行かれた。同じ校区で、長男同士が同学年、たまに互いの家を行き来しているようだ。娘のところに3番目、二男が生まれて1年くらい後、そこにも第3子、またもや男の子が生まれたということだ。
人気が無くなったお隣には、持ち主が時々管理に出入りするという状態が続き、新たな家族が入られたのは2年前。もう一軒の高校生と小学生はすっかり大きくなり、働いたり、遠くの学校に行ったりと、子どもの姿が見えなくなったけれど、今度入られた家族にも高校生と小学生がおり、久々に甲高い声が聞かれるようになった。