専業ババ奮闘記その2 コロナ感染④
翌日、保健所から連絡があり、しばらくしてピンポンが鳴った。電話で言われた通り、新型コロナウイルス感染者向けの説明書、血中酸素濃度測定器、記録用紙などが入った袋が玄関前に置かれていた。昼前には、医師から電話が入り、のどの痛み、咳、痰、微熱などの症状を伝えると、それらが緩和する薬、トローチも出してくれるとのことだ。昼過ぎには看護師から電話があり、3日に発熱があったことを話すと、13日まで自宅で療養だと言われる。「症状が出てから10日間が療養期間になります」とのことだが、熱は感染する前に息子からうつったものだと伝えた。とにかく、夫が帰るまでは家に籠ることにしよう。その後、薬剤師から連絡があり、薬が届けられた。家に居ながらにして、こんなにしてもらえるとは。
家から出られないので、洗濯、掃除、調理などの家事の他は、点訳をしたり、録画したドラマや映画、手話のビデオを見たり。一日がとてつもなく長く感じられる日々が続く。夫は狭い病室に押し込められ、もっと退屈な日々を過ごしていることだろう。メールでは、娘から毎日孫たちの様子を撮影した動画が送られてくるとのことだ。娘一家も、夫婦と三人の子どもたちと、家の中や庭で過ごしている様子。買い物の件は、お願いしたものを、同僚が玄関先に置いてくれたということだ。保健所を通じて食料をお願いしたら、パックご飯やレトルト食品が届けられたとのこと。
我が家では、おかずやご飯の残りを冷凍している。一人なら、それを出してチンすれば済む。息子は買い置きのスパゲティや焼きそばが主だが、たまに冷蔵庫から材料を出して適当に調理して食べているようだ。調理師免許を取得したことは、就職に有利だったし、こういう時に役立っている。
夫が陽性になったのが八日。息子が、「保健所から連絡があって、今日から解禁だって」と言って2階から降りて来たのが15日のこと。息子は「今晩からお袋の料理食べるわ」と言うと、すぐにボルティで出て行った。早速台所に行き、冷凍していたミンチを出す。今夜はハンバーグだ。私の禁が解けるまでは別々に食べるけど、個食からの解放まであと一息。