専業ババ奮闘記その2 コロナ感染②

 

 5月2日以降に娘と接した者が濃厚接触者に当たるのだそうだ。娘の一家と夫が該当する。忠ちゃんの実家に行って大津ジジに会ったのが2日で、大津ジジにも検査を受けてもらうとのこと。我が長男は前日1日に娘の家を訪問しているから濃厚接触者には当たらないが、念のために検査するよう連絡を入れた。

 娘の部屋のベッドで目覚めた朝、昨夜に続き、朝食もそれぞれ別の部屋で摂る。娘から食料など買ってきてほしいと連絡を受けたので息子に相談すると、「親父が濃厚接触者で、お袋も俺も自宅待機なのに、買い出しなんかできんだろう」とのこと。断りの連絡をすると、「そうだね。じゃあ、職場の人に頼んでみるわ」との返事だった。何かしてやりたいけれど、こちらも同様身動きが取れないので致し方ない。その日、娘の家では、忠ちゃんが発熱し、寛大が嘔吐したようだ。我が家の面々で不調なのは微熱とのどの痛みがある私だけ。一番陽性の確率が高い夫は、風邪の症状もすっかり消え、何ともない様子。それでも、すでに感染しているかもしれず、各々が食事の準備をし、別々の部屋で食べ、接触しないようにしている。個食という一時よく聞かれた言葉が頭をめぐる。夕方、夫は抗体検査を受けに行った。

 のどの痛みがひどくなり、その夜はのど飴を口に入れて横になったが、何度も目が覚めた。朝ご飯を個々別々の部屋で食べ終わると、「もう耐えられん。バイクで走って来るわ。バイクなら人と接触しないから」と、息子は出て行った。午前中、娘からメールが入り、寛大以外全員陽性だったとのこと。その日の感染者は県全体で127人、松江48人。この中に忠ちゃんや実歩、宗矢が入っているのかと思うと、これまでただの数字だったのが、妙に肉付き、親しみを帯びたものに感じられるのが不思議だ。

 息子は午後になって帰って来た。ひたすらバイクを走らせ、広島まで往復300キロ走ったとのこと。夕方になって、保健所から夫に電話があり、かなり長い間話していた。結果は陽性。濃厚接触者である私と息子は、翌日抗体検査を受けることになった。夫が娘の家から帰った日、夫と二人で夕食を摂っている。私が陽性なのは確実だろう。