専業ババ奮闘記その2 迫りくるコロナ⑦

 

 大型連休初日は雨が激しくて外に出られないので、ほぼパソコンに向かっていた。二男が復活して安心したが、今度は長男のことが心配になる。仕事を終えてすぐに車で向かうと連絡が入ったのだ。夜中にトイレに起きた時から眠れなくなった。中古車を買ってすぐの時にスピード違反で免許停止になっているし、コロナ前に帰って来た際は高速道路でエンジンが停止し、ジャフの車に引かれ舞い戻って来ている。今度は事故でも起こしたらと、不安が募る。眠れないまま窓の外が明るくなり、お腹が空いたので早々に台所に降りた。

 その日は寛大を預かることになっていて、夫が迎えに行っている間、長男から10時前には着くとメールが来る。今のところ無事なようだ。寛大が来て、まずは宿題をさせ、しばらくしてから長男が帰って来た。夜通しの運転で寝ていないだろうからとベッドメイクはしていたが、神戸のSAで5時間ほど仮眠を取ったので眠くはないとのこと。

 前日とは打って変わった晴天で、長男と寛大と散歩に出ようとしていたら、「俺も行く」と、夫が付いてきた。脊柱管狭窄症を理由に、ほとんど歩きたがらない夫にしては珍しいことだ。途中何度か屈伸しながら、夫も床几山までたどり着いた。緋色や桃色、白色などのツツジが満開。「おお。おお」と声をあげ、長男は写メを撮って職場の同僚に送っていた。帰って4人で昼食を摂ってから、長男は昼寝、寛大と夕方のお迎えが来るまで過ごした。

 翌日は、長男と夫と私で墓参りをした後、娘の家に向かった。寛大と実歩は長男にくっつきまくるが、正月に初めて会って少し慣れただけの宗矢は、なかなか近づけずにいる。帰る頃になり、ようやく長男の膝に乗った宗矢。娘が撮った長男と宗矢のツーショットを、以後ずっと「おっつぁん」「おっつぁん」と言っては眺めているとのことだ。

 3日目は、恒例になった土産用蕎麦の大量購入。開店まで時間があったので大庭の方へ向かう。「懐かしい。俺、自転車で転んだの、ここだったよね」「ここで蝋の鏡を作ったね」と、かんべの里から風土記の丘を歩きながら、この地に残された映像を振り返った。2泊3日、コロナ騒ぎは一旦忘れ、長男と久々の、ゆったりした時間を過ごせた連休前半だっだ。