専業ババ奮闘記その2 冬⑥

 

 2月に入っても、県内の新型コロナ感染者数が100人に近い日が続いている。この冬は気温が低く、積雪量も多い予報だったのに、節分は荒れるどころか、陽気に誘われて歩きに出たほどだ。気温が下がり、雪で屋根や道路が白くなったのは、立春を過ぎてから。

 寛大も実歩も、歩くのは1歳を3、4か月過ぎてからで、言葉も2歳が近づくころから一気に出だした。宗矢も同様で、歩くのも言葉も遅かった。そして、2歳を過ぎた今、会うたびに色々な言葉が聞かれる。「しん(写真)」「おに」などが加わったほか、「かたい」「いたい」などの形容詞まで増えてきた。そして、近づいてはいけないものに対しては、「おじょじょ」と言う。玉湯に行った日は雪が舞う寒い日だったので、外を見ては「ゆき」と言い、保育園で節分の行事に使ったのか、鬼の面をつけて、「おにだじょー」と私に向かってきた。寒いのでずっと家の中で過ごす。寛大は、ブロックには飽きないようで、戦闘機や機関銃のようなものを組み立てている。実歩はパズル。今は五百ピースに挑んでいる。

 孫たちが我が家に来た日は晴れて、この時季にしては温かかった。寛大と実歩が縄跳びをすると言って外に出たので、宗矢も追って出る。夫に、「ジジは出らんの」と聞くと、「ジジは行かん」とのこと。それからしばらくの間、宗矢は「じじ、いかん」「じじ、いかん」を繰り返していた。前に見た猫を探して歩くが、なかなか出会えない。宗矢は何度も「にゃんは」と聞くので、「寒いけん、おうちかな」と答えると、「まむい(寒い)、おうち」「まむい、おうち」と唱えていた。宗矢とお母ちゃんが昼寝した後、寛大と実歩はまた外に出て縄跳び。汗をかき、薄着で跳ねている。冬の晴れ間は嬉しいものだ。

 そして、バレンタインデイ。ここ何年か、チョコバナナロールケーキを作っている。意外に失敗がないのだ。ロールにするスポンジは、書いてある時間より少し短めに焼くと、生地が柔らかいままでうまく巻ける。中に入れるチョコクリームは、溶かしたチョコレートを生クリームの中に入れ、冷蔵庫で寝かせてから泡立てる。冷めたスポンジにチョコレートクリームを塗り、バナナを挟んで巻くと出来上がり。今年は、私の取り分はほんの少し。夕食後、夫と息子できれいに平らげてくれた。完食されるのは、いい気分だ。