専業ババ奮闘記その2 秋①

 

「治るの早!」息子がびっくりするほど、丸一日私を苦しめた副反応は、何事もなかったかのように消えた。これで、息子もワクチン接種の申し込みをしてくれればいいが。9月に入ってからも、県内も市内も2けたが続いているのだ。

 雨が続き、少し涼しくなったかと思えば、また気温が30度近くまで上がった。8月に蒔いたハクサイ、キャベツ、ブロッコリーの苗が大分大きく育ってきている。それらの苗を移植するところ、ダイコンの種を蒔くところを決め、9月に入って二度、草刈りと草除けに通った。夫におこしてもらった後、草の根を拾いながらダイコンの種を蒔いていく。作業をしながら、畑の雑草との付き合いを振り返ってみた。

 最初に難儀に感じた相手はスギナ。この黒くて長い根が、地面の奥をどこまでも伸びている。おまけにその茎には弾力があり、途中で引っ張ろうものなら、プツンと切れてしまう。かといって、肘がはまるくらいまで掘っても続く根を一本一本抜いていく気力はない。一時期は畑の4分の1くらいまでスギナが広がっていた。

 次に手こずったのはカヤ。地下茎をグングンのばして広がっていく。カヤの凄いのは、芽の先が針のように尖っていて、ジャガイモなどを貫いてしまうところだ。地下茎を一掃したつもりでも、さらに深いところで縦横無尽にネットを張り巡らせているので、これも退治不可能。野菜を植えるところの上辺だけ退治し、あとは見ぬふりをしている。

 そして、今手こずっているのがカヤツリグサ。ダイコンの種を蒔く際も、1センチくらいの黒い塊を幾千も土の中から除けた。塊は球根で、それが黒い糸のようなもので繋がっている。つまり、糸状の物を伸ばしてドンドン球根を増やしていくのだ。これだけ除いても、地中奥の方から白い芽を伸ばし、ダイコンが双葉を出す頃には緑のしゅっと尖った葉が周り中に生え、ダイコンの葉が10センチくらいになると、濃い緑で覆いつくしてしまう、恐ろしき敵なのだ。今や畑の3分の1くらいにまで広がっている。

 そして、さらに新たな敵が畑全体に広がっている。これまでで最強の敵だ。刈ったところから幾本も枝を伸ばし、根は地中深くまで伸びていく。加えて武器まで備えているのだ。