専業ババ奮闘記その2 新学期④

 

 新しい環境に少しずつ慣れて来てはいるものの、やはりストレスを溜めているのだろう。宗矢はその後も熱を出し、保育所に迎えに行ったり、家で預かったりした。寛大、実歩と同様1歳3箇月を過ぎ、ようやく歩き出した宗矢。熱を出したあとで体がだるいのか、すぐに抱っこを求めてくるものの、じっとはしておらず、家じゅうの部屋を巡り歩いた。

 疲れが出ているのは寛大も同じだった。「今度は寛大が熱を出してね。明日の土曜日、児童クラブへ行くはずだったけど、頼んでいい」と、娘から電話が入った。大型連休はざまの土曜日、実歩と宗矢を保育所へ送る前に我が家におろされた寛大は、日中熱が上がることはなく、庭でトマトの植え替えをしたり、部屋でブロックをしたりし、昼食もぺろりと食べた。

 娘の職場では、交代で土曜出勤がある。休みの日は母子で我が家に来、土曜出勤の日は、私が朝早くに玉湯に行き、寛大を児童クラブまで歩いて送っていく。大型連休が明けて初めての土曜日、玉湯の家に入ると、いつもとっくに朝食を終えている寛大がまだ食べている。「土曜日は、人が少なくて遊ぶ人がいないから、児童クラブに行きたくないって大泣きして、やっと今食べ始めたとこ」と娘。寛大を見ると、目の周りが腫れている。「色々話をして、行くっていうから、送ってくれる」と娘が言う。「じゃあ公園で少し遊んでからいくか」と寛大に言うと、「うん」と言うので、娘たちを送ってしばらくしてから、家を出た。途中いつもの通学路の方へ曲がるので、「あれ、公園行かない」と聞くと、「いい」と言うので、道草しながらゆっくりと児童クラブへ向かった。

 そんなことがあってしばらく経った朝早くに、娘から電話がきた。児童クラブで嫌なことがあったようで、「起きてからずっと大泣きしててねえ。こんな時、どうしたらいい?」と言う。「連絡帳に、寛大から聞いたことを書いて、それとなく様子を見てもらうようにしたら」と答えた。結局、その日は何とか学校に行き、帰って来た時は機嫌よかったようだ。けれども、それ以来、人数が少なく、嫌な思いをした相手が来る土曜日は、児童クラブを休みたいというようになった。「予定を知らせんといけんで、とりあえず6月の土曜日は児童クラブをお休みさせようと思って。寛大を預かってもらえる」との連絡を娘から受けた。