専業ババ奮闘記その2 里帰り⑦

 バタバタした日々を過ごすうちに、宗矢の一か月健診の日が訪れた。付き添って産院に行く。体重は四五五〇グラム、四週間で一五〇〇グラム増えている。一日平均増え率の三倍もの増えようだ。このまま膨らみ続けるとどうなるか、逆に心配になる。

 娘の方も順調な回復で、入浴もオッケーということになった。あと二週間は無理をしないようにと言われたらしい。明後日は新築の家に戻ると言っているが、大丈夫だろうか。

 寛大の時も実歩の時も、里帰りはだいたい二か月だった。今回ひと月で帰るのは、建ったばかりの家のことが気にかかっているだろうし、義母の世話もある私を気遣っているのもあるだろう。こちらとしては、まだ回復が十分でない娘の体で、寒い中、生後一か月の宗矢を抱えて寛大や実歩の送り迎えをすることが心配なので、当分は夫と私が交代で玉湯まで行き、保育所の送り迎えをすることを申し出た。

 実歩が産まれたのは梅雨に入る前で、何度も寛大の汗を拭きながらの夜を過ごした。今回は寒い時季で、風邪をひかせないことが最大の課題だった。二人とも気が付くと布団から出ているので、度々起きて布団の中に押し込めねばならなかった。特に、アレルギー性鼻炎の傾向がある実歩は、鼻づまりで寝苦しい様子が度々見られたが、病院につれていくほどのことはなくて済んだ。ようやくそんな生活から解放されるということで少し気が抜けたのか、娘たちが帰る日の朝はいつもより遅くまで眠った。

 義母をデイサービスに送り、寛大、実歩が保育所に行ったあと、宗矢の風呂の準備にとりかかる。先日、娘の職場の先輩が持ってきてくれたベビーバスタブをビニールシートの上に乗せる。湯が漏れるのを気にしなくてもよくなったが、それも今日で終わりか。

 午後、娘と宗矢、諸荷物を車に乗せ、新居に向かった。宗矢の寝床をセットしてから荷物をおろし、ちゃちゃっと整理する。家に帰って残った荷物を積み込み、保育所に寛大と実歩を迎えに行く。二人を乗せて向かう先は、我が家ではない。寛大と実歩の本当の家だ。どんな顔をして家に入るのだろう。