専業ババ奮闘記その2 里帰り①

 産院から帰ってくるのは、出産予定日だった1月19日。夫の誕生日でもある。忠ちゃんが寛大と実歩を家に連れて帰ったので、夜は久々にぐっすり眠り、目覚めたら六時を過ぎていた。完全に気持ちが緩んでいる。

 夫も息子も遊びに出、私は義母の身の回りの世話をし、朝食を運んでから買い物に出た。スーパーには一匹だけ鯛があった。ちと高い。でも、赤ん坊、いや宗矢が我が家に初めて来る日であり、夫の誕生日でもある。二重の祝いの日だ。迷った末、買い物かごに入れた。

 昼食を義母の部屋に持っていき、私も残り物を食べて少し休んでいたら、娘たちが病院の帰りに荷物を置きに寄った。一旦家に帰り、今後我が家で暮らすのに必要な荷物を積み込んで夕方に来るという。

 運ばれてきた荷物の整理にかかる。居間は娘と宗矢が当分居座ることになる。まずは、床を敷き、紙オムツなどは枕元に並べた。祝いにもらったという種々の箱類をとりあえず一つのコーナーに収め、これから運んでくるだろう荷物の置き場スペースを空けておく。寛大と実歩の着替えは、部屋の隅に寄せた。

 それが終わると夕食準備だ。鯛のうろこを取り、内臓を除き、水を入れた魚焼きグリルに入れる。何とか入りきった。大きな鯛だ。これをメインに、赤飯、ほうれん草の胡麻和え、根菜の煮物、シジミ汁が夕食の献立。寛大も実歩も、赤飯以外は全部好みのメニューだ。あとは白いご飯をしかけるだけ。

 六時に皆がやってきた。忠ちゃんは帰って食べるというので、まだ帰ってこない息子と、まだ食べられない宗矢を除いて、六人の夕食は大賑わい。寛大も実歩も、お母さんが久々に傍にいるので上機嫌。

 風呂はいつも通り夫が寛大と実歩を入れ、上がってきた二人の始末を私がする。娘が入っている間、宗矢を預かり、義母を寝せてから私が風呂に入り、寛大、実歩を寝かせた。

 実歩も、気持ちが緩んだのだろうか、うちに来て初めて世界地図を描いた。