老い老いに 62

 師走に入り、いよいよ今年も押し詰まって来た。私事だが、面倒な仕事ができた。国の基幹統計調査の一つである家計調査が当たり、12月から半年間家計簿をつけて半月ごとに提出しなければならなくなったのだ。一応家計簿はつけているけれど、大雑把なもの。この調査では事細かく記録せねばならず、初めのひと月は、食料品のグラム数まで書かなければならない。現金で支払ったものと、クレジットやプリペイドカードなどでの支払いは分けて記載することになっている。実は家計調査は初めてではない。まだ現職だった頃にも当たっている。当たりくじなど大概等外でくじ運はすこぶる悪いのに、こういう面倒なことは当たってしまう。これも現職の頃、検察審査員にも当たって裁判所に通ったことがある。得難い経験ということでは運がいいと言えるんだろうけど…。

 さて、夕焼け通信の13年目もまた年末が訪れ、2006年に突入した。この年の10大ニュースは次の通り。

一、トリノオリンピックで荒川静香が金メダル獲得 二、ライブドア堀江貴文社長を証券取引法違反容疑で逮捕 三、秋篠宮妃紀子さまが男児を出産 四、日本銀行がゼロ金利政策を解除 五、第90代内閣総理大臣に安倍晋三が就任 六、北朝鮮が初の核実験を実施 七、ジャワ島でM6.7の地震が発生 八、第1回WBCで日本が優勝 九、地上デジタルテレビの「ワンセグ」開始 十、夏の高校野球決勝戦が引き分け再試合

 海外の物騒なことや悲惨な自然災害が混じっているが、国内のニュースはめでたいものが多い。この年に誕生した秋篠宮悠仁さんはもう成人された。月日が経つのは早いものだ。日本のフィギュアスケートで金メダルを初めてもたらしたのが荒川静香。得意技イナバウワーはその年の流行語大賞になった。十位に入っている夏の高校野球決勝戦の再試合。あまり高校野球は熱心に見る方ではないけれども、マー君こと田中将大とハンカチ王子こと斎藤佑樹が対決するシーンには釘付けになった。野球のルールをほとんど知らない義母までがマー君の名前を覚え、それ以後夫と息子が野球を見ながら話していると「マー君は出ちょうかね」と聞いていた。