老い老いに 59
我が家の2005年、年明けから我が子のことで気を揉む日々だった。長女の大学卒業と就職、長男の高校卒業と大学受験、二男の中学卒業と高校受験と、皆重なったのだ。
長女は早い段階から自分のやりたいことが決まっていて、それに向かって地道に進んでいたので何ら苦労はなかった。ぎりぎりまで部活もしていたから、身体を心配するのみだった。ところが、男の子たちはまるでつかめない。
長男は、中3になっていきなり「大学に行きたいから南高に行く」と言い出し、周りが反対するのを押し切って志望校に入った。案の定授業についていけない。大嫌いな英語があると休み、追試まですっぽかしそうだったのを何とか受けさせ留年は免れた。塾に行くと自分が言い出したのに怠け休みし、センター試験ではあれだけ注意されたのに解答用紙を間違える始末。担任はあれこれ提案してくれたけれど、本人はもう浪人することしか考えていない。高校にはもう一年受験のために通うクラスがあるが、追試を受けるようでは入れてくれない。結局、塾の関係の予備校が東京にあり、推薦状をもらって入塾することになった。その年の暮れに、「家に帰って勉強する」と電話してきたことがあった。不安はあったものの「自分で決めたことでしょ、最後までやりなさい」と突っぱねた。その後は何とか乗り切り、第一志望ではないものの、本人が納得のいく大学に入った。今年の盆に帰って来た時、「何であんなに大学に行きたかったの」と聞くと、「友だちのA君が勉強出来て、あんなふうになりたいなと思ったからかなあ」と言っていた。
そして、二男はと言えば、今をのみ生きるタイプで将来など考えていない。勉強が嫌いだから進学校へ行かなということだけははっきりしていた。机に向かっても5分と持たず、「頭が爆発する」と言って逃げてしまう。受験勉強もせず、おまけに面接では全くトンチンカンな受け答えで結局は第2志望の学校へ行く羽目に。しかし、人生どう転ぶか分からない。高校で調理師免許をとったお陰で今の職に就いている。
長男は浪人の1年を含め7年かかって大学を卒業し(私立の理工系で授業料が高く、私たちの脛はか細くなった)、今の会社に勤めて10数年になる。仕事上必要な資格も数々取得して真面目に勤めているようだ。
