老い老いに 52
500号を突破し、2004年の夕焼け通信は505号から始まる。さて、この年には何が起きていたのか。
一、新潟中越地方で震度七の地震 二、サマワに自衛隊派遣、一年延長も決定 三、アテネ五輪で金メダル史上最多タイの16個 四、巨人が日本一、イラクで日本人拘束、香田さん遺体で発見 五、再編問題で球界大揺れ、初の選手スト 六、台風上陸最多の10個 七、三菱東京FGとUFJHDが経営統合で基本合意 八、拉致被害者の蓮池、地村、曽我さんの家族帰国 九、参院選で自民敗北、民主議席増 十、イチロー、大リーグの年間最多安打記録更新
1位は自然災害だ。地震列島の日本、毎年のように大きな地震が起きている。この年は中越で起きた。この地震で、災害による死者よりも災害関連死が上回り、エコノミークラス症候群という言葉がクローズアップされた。ちょうど原稿を書いている日、新聞に南海トラフ地震の発生確率について掲載されていた。今年1月に30年以内に「80%程度」としてきたのを修正して「60~90%程度以上」または「20~50%」と併記するとのこと。いずれにせよ、高い数値であることに変わりはない。あまり地震が起こらなかった山陰でさえ、四半世紀前にはマグニチュード7.3の地震に見舞われた。いつどこで起きるか分からない。
2位と4位に関して。前年の3月、大量破壊兵器の存在を主張したアメリカ合衆国が主体となってイラクを侵攻。日本の自衛隊もPKO以外で初めて派遣された。それからサマワにも派遣されることになる。そして、侵攻後の政情不安定なイラクで日本人が人質になり、自衛隊撤退の要求を飲まなかったことで人質が殺されてしまった。無くならない戦争・紛争、日本もだんだんと過去の反省を忘れつつあるようで恐ろしい。
アテネ五輪の金メダルラッシュには沸いた。柔道では8個、レスリング2個、水泳3個、体操団体、陸上2個、ニュースを見ては歓声を挙げていた。このアテネパラリンピックで金メダル7個、銅メダル1個を獲得した成田真由美さんが先日亡くなった。中学生の時に半身不随となり、その後も幾多の病気で入退院を繰り返し、交通事故で頚椎まで損傷してしまう。
そんな成田さんを奮い立たせたのは、志半ばで亡くなった友への思いだったという。