老い老いに 45

「区切りという気がしないと言ったそばからレイアウトを変えてみました。少しでも読みやすくなっていればいいのですが。そしてさらに、書きやすくなっていますように」とは400号の編集後記。次の号の編集後記には、「400号で変えたレイアウトがおそろしく不評でした。よくなったという評価は皆無で、前の方がいいというのが100%。というわけで、今回も変えてみました」、さらにその次の号には、「その後、よくなったじゃないのという意見もいただきました。したがって編集人はおどおどと迷いつつ今号をお届けします。まあそれも楽しみの一つなのですが」と、レイアウトについて書かれている。

 パソコンでは文字を打つこと、インターネット検索、メールのやり取りしかできない私にとって、編集長がやっている操作のことは全く分からない。しかし、寄せられた原稿をうまく紙面に収まるように段組みを変えたり、カットを入れたり、タイトルを工夫したり、大変な作業であろうことは察せられる。紙のサイズは創刊号のB4版一枚から始まり、途中からB5版(B4版を半分に折って4ページにしたもの)になり、さらにA5版(A4版を半分に折って4ページにしたもの)へと変わってきた。「夕焼け通信」の題字や寄せられる原稿のタイトルも、大きさや字体などを様々に変化させ、段組みも、2段、3段、4段と試されてきている。詩のスペースの取り方などは他と段組みを変えた枠で縁取っているから、相当な技術がないとうまく収まらないのではないかと思う。誰がどれだけの長さの文章を寄越してくるか分からない中、限られた紙面内に収めるのは並大抵なことではない。しかも毎週だ。そんな作業をしながらレイアウトまで変えてみようだなんて。少しでも読みやすく、さらに書きやすくなればとの編集長の思いには頭が下がる。

 それにテープ起こしなども自らが手掛けるのだから夕焼け通信編集だけでも大変な作業だ。ところが、編集長は夕焼け通信のみならず、行く先々で様々な行動を起こしている。今は松江算数活塾での活動が広がりを見せている。端が大変だろうなと思うことを、本人は平気な顔をして楽しんでさえいる。一体どこからそのエネルギーが沸いているのだろうと、老い老いの身にはただただ羨ましく、眩しく見えるのだ。