座付きの雑記 10
鳥取のおばけに松江のゆうれい、というのを時折耳にするのだが、調子がよくて好きだ。よく言えば、どちらも落ち着いた情緒ある町だが、お世辞にも活気あふれるとは言えないので、くすんだところを突き抜けて冥界に達すると、活気が見られるというのがおもしろい。
秋からの朝ドラ「ばけばけ」で関心が高まっているのか、こども落語で怪談をやってほしいというお話をたくさんいただいている。
松江で学びながら、小泉八雲の怪談を知らないというのは、歌枕に暮らしながらその歌を知らないようなものだから、子どもたちにはレパートリーに加えるように塾の開設当初から働きかけていた。自分の方から求めてくる子も少なくない。これも一つの「ばけばけ」効果だろう。
子どもたちの怪談を聞いた、某企画会社のNさんが堀川遊覧船に子どもたちを乗せて怪談を語ってもらおうと思いついた。春先ぐらいだったと思うが、その話を聞いたとき、これは子どもたちが喜ぶだろうと思った。いや、お為ごかしはやめよう。ぼく自身がおもしろいと思った。保護者経由で子どもたちに伝えたところ反応は上々で、ぜひやってみたいとだれもが言う。ただ、何事もそんなものだろうが、机上のプランがそのまま実行できるはずはなく、紆余曲折を経て固まったのが今月頭。チラシもつい今し方、できたと知らせを受けた。第一回目の運航日が今月30日なので、この場を借りて宣伝させていただく。
堀川ゆうれい船
運航日①7月30日(水)②8月8日(金)③8月17日(日)④8月20日(水)
運行時刻 午後4時(午後3時30分までに松江堀川ふれあい広場に集合)所要時間約1時間。
料金 大人2,500円、中高校生1,800円、小学生1,300円、未就学児2人目から500円。
申込先 08520-31-9011担当は中村さん。チラシに申し込みフォームのQRコードが載っているのでご希望の向きにはデータを送ります。
船にはこどもが二人乗船し、怪談だけでなく、松江城の伝説や堀川と縁ある落語もする。現在、コース中で二人がどう噺をつないでいくか計画を立て、準備を進めている。だが、実際に乗ってしゃべってみないとわからないところがあまりに多い。おそらく思い通りにいかず、どうにかしないといけない場面に遭遇することだろう。でも、きっとそれが何かのきっかけだ。

