がらがら橋日記 チャリティーコンサート&落語
昨秋、松江と出雲の臨済宗のお寺に呼ばれて、教室生が落語をした。プロの落語家がメインゲストで、その前座を務めたのである。お寺で落語をすることも、プロと共演することもこれまで何度かあったのだが、それらと異なっているのは両寺ともに寄付金を募っており、それが全額ある団体に送られるというところだ。チャリティー事業に熱心なお寺は、これまでにも経験があり、それもまたそれほど珍しくはないのだが、今回ご住職は、教室生に集められたお金がどのように使われるのかを詳しく説明されたのだった。
ぼくは、片付けなどに気が紛れ、横目でご住職が熱心に語って聞かせておられるところを見はしたが、馬耳東風、心にひっかけることもなくただ流れてくる言葉を通り過ごさせただけだった。
ところが、この時の話が教室生活塾亭あーとの心には、しっかりと根を張ったのである。
つい先日、「チャリティーコンサート&落語 きかく書」とスケッチブックに鉛筆書きされたそれが送られてきた。色鉛筆でていねいに色づけされたチューリップや桜の花のカット入りで。
内容をご紹介させていただく。原文には固有名詞が書かれているが、ここでは略している。
めあて
チャリティーコンサートで集まったお金を世界の学校に行けない子どもたちにきふしたいです。
きっかけ
前、○○寺というところに落語をしに行ったとき、世界の学校に行けない子どもたちに絵本を送る活動をしていることを知りました。学校に行けること、好きなことを勉強できること、いつもごはんを食べられることがとても特別で幸せなことだと知ってショックだったし、私もその人たちに何かしたいと強く思いました。そこで、今私が何ができるか考えたら、私が一生けんめいやっているピアノ、うた、落語のコンサートをして、来てくれる人を笑顔にして、そのコンサートで集まったお金をきふできればとてもうれしいし、そんなことができたらどんなにいいかと思いました。
プログラム
ピアノ 20分 みんなが元気になるようなかわいくて、元気な曲を一音一音思いをこめてえんそうします。
うた 20分 かしの一言一言を大切にして、みなさんに届けます。たくさんのすてきな曲でみなさんを幸せな気持ちにしたいです。
(この稿つづく)
