老い老いに 12

 夕焼け通信が3年目に入り、100号を突破した1995年の10大ニュースは以下の通りだ。1位、阪神淡路大震災。2位、オウム真理教による地下鉄サリン事件。3位、金融機関の相次ぐ破綻。4位、大和銀行巨額損失。5位、沖縄少女暴行事件により基地問題紛糾。6位、統一地方選挙で東京は青島幸男、大阪は横山ノックという無党派知事誕生。7位、景気低迷による就職難続く。8位、三菱銀行、東京銀行合併で合意。9位、野茂英雄投手、米大リーグで新人王に。10位、2信用組合事件で山口元労相ら逮捕。

 第117号編集後記に、沖縄少女暴行事件について、「この種の事件が後を絶たないのは、日本に駐留するアメリカ兵の60%が集中する沖縄において、いまだ『占領軍』の意識が根強く、野放図に振舞えるからだ。」との佐木隆三氏の指摘をあげている。あれから30年経ったのに、基地問題は解決の見通しが立たず、住民は様々な不安を抱えながら生活している。

 マイクロソフト社がウィンドウズ95を開発したのもこの年だ。以来パソコンがぐっと日常生活の中に入って来る。当時まだ職員室でパソコンを使える者はそう多くはなかった。それが、ウィンドウズ95が出現してからは、パソコンの研修が増え、使用者が広がっていく。台数も徐々に増え、早期に辞めた私には、いつ頃から全員がパソコンを使うようになったかは分からない。が、県庁の嘱託職員として勤め始めた12年前、自分にまで1台あてがわれた時は驚いたものだ。今では孫が小学校で配布されたタブレットを使って写真を撮ったり問題を解いたり、自在に使いこなしている。

 その年の夕焼け通信の内容も盛沢山だ。隠岐へ渡った編集長は、釣りから始まり竹島問題、在日の問題にも踏み込んでいく。Rさんは施設で立ち上げた劇団にまつわる話題が大展開することになる。そして、石見支社で活躍してくれていたBさんは中国の大連の日本人学校へ行かれ、「大連信」(ダーリエンシン…大連だより)を、さらに、高知の鉄道好きIさんからは、「セマウル号、秋晴れの韓国航路」という韓国の鉄道旅行記が投稿されてくる。Oさんの「GEMS OF BRITAIN」に続き、夕焼け通信は国際色も出て来たのだ。