北海道への旅、三度目 5
旅行に出る前にやっておかねばならないことがいくつかあった。まず、畑に秋野菜の苗(白菜、キャベツ、ブロッコリー)を移植すること。「白菜は9月の10日前後に植えんと巻かんぞ」と亡き伯父に教わっていたのだ。それから、寛大と実歩を松江歴史館と松江城に連れて行く約束をしていたので、「みんなの小学校」の企画展が終わるまでに行くこと。そして、出発前のぎりぎりに届くことになっているシャインマスカットを新潟の義妹宅と茨城の叔母宅に送ること。細々したことでは、冷蔵庫の冷蔵室と野菜室にあるものを使い切ること、持って行く食料を買っておくことなど。
畑では、無事白菜、キャベツ、ブロッコリーの苗を植え、ダイコンの種も蒔いた。旅行中にはいい間隔で雨が降ってくれるのを祈るだけだ。
冷蔵庫の品はあらかた片付き、残ったチーズやジャム、ウインナーは冷凍庫に入れる。キャベツの保存についてネットで調べたところによると、千切りにして保冷パックに収めて空気を抜くとうまく冷凍できるとあったのでその通りにした。
そして、いよいよ旅行前日、仕事に行く途中寛大と実歩を我が家に連れて来た娘は、頼んでいたシャインマスカットも置いて行った。前日から準備していた箱にシャインマスカットと手紙(家を空けるので、着いたら携帯電話の方に連絡を入れるよう付け加えた)を入れ、歴史館に行く前に郵便局に寄って送った。寛大と実歩には、「暑くなりそうだから、松江城の方を先にしよう」と言って4人で駐車場からお城方面に歩き出す。途中「JAFカード持った?」と夫に聞くと、「あっ」と言うので駐車場まで取りに行った。カードだけを取ろうと思ったけれど、免許証ごと持って行ったのが正解。お城の入り口でチケットを買おうとJAFカードを見せると、免許証を見た受付の人が、「松江市に住む高齢者は無料ですよ」と言われる。市内の小学生も土曜日は無料で、四人とも無料となった。兜や鎧を見るのを楽しみにしていた寛大は、城の中で見つけられずがっかりしていたが、歴史館にあり、「剣も銃もあったよ」と喜んでいた。実歩は「みんなの小学校」展示場のお絵描きボードにはまっていた。