専業ババ奮闘記その2 コロナ感染⑤
息子が自宅待機解除になって出勤した日、また熱が上がり出した。咳も増え、相変わらず濃い痰が出る。ウイルス感染が長引いて息子にうつす可能性があるのではないかと心配になり、保健所に相談の電話をする。国の指針によると、10日経つと感染させる危険性は無くなるとのこと、症状が緩和しないのならかかりつけ医で受診し、その際は陽性で自宅待機をしていたことを話すようにと言われた。
翌17日、やはり熱は下がらない。かかりつけ医に、コロナに感染して自宅待機が解除されたけど、症状がよくならないと電話で伝える。症状や処方された薬を聞かれ、少し強めの薬を出すとのことで、本人ではない者に処方箋を取りに来てもらうよう言われる。その日は夫が退院する日なので、入院先の病院に迎えに行き、その帰り、かかりつけ医に寄って、夫に処方箋を取りに行ってもらった。隣の薬局で一週間分の薬をもらったので、これで症状は治まってくれるだろう。
夫は、一部屋に押し込められた窮屈な暮らしから解放され、いつになくよく動いている。キュウリの苗の移植をしたり、買い出しに行ったり。自由に動けることが楽しくてたまらない様子だ。私はというと、微熱がやはり続き、咳も痰も治まらない。身体もだるく、このところ、毎日昼寝をしている。息子のウイルスによる風邪様の症状なのか、新型コロナウイルス感染症の後遺症なのか分からない。
その夜、10日振りに家族三人揃っての夕食を摂った。夫が買ってきた刺身をネタに、手巻き寿司にしたのだ。よほど退屈だったのだろう、食後、夫が息子にせがんで将棋の相手をしてもらっている。私は早々に床に就いた。
入院までした夫は無症状なのに、私の場合、薬が切れると、微熱、咳、痰がぶり返し、感染後ひと月経ってもぐずぐずし通しで、かかりつけ医に再度薬を処方してもらいに行った。かなりの割合で、コロナの後遺症に苦しむ人がいると聞く。あれがコロナによるものだったのかどうか分からないが、ひと月余りで治まったのは楽な方だったのかもしれない。