専業ババ奮闘記その2 秋⑤

 

 寛大が紙粘土でトリケラトプス、私がお婆さんを作ってから後の土曜日は、2週とも娘が休みで、私が玉湯に行ったり、娘が子どもたちを連れて来たり。

 玉湯の家に行くと、天気が良ければ大概近くの公園に行く。公会堂の横に広場があり、鉄棒や雲梯、ブランコにジャングルジム、滑り台が備わっているのだ。寛大はもっぱら虫捕りで、実歩はお母さんとケンパをしたり、鉄棒をしたり。私は宗矢について回る。滑り台の降り口から2メートルくらいのところに乗せて滑らせると、またしてくれと両手を広げて催促するので、何度か繰り返す。あとは、石を拾ったり、膝の上に乗せてブランコをしたり。最近言葉が出だし、マンマ、ブーブーのほかに、寛大が追っている蝶が逃げていくと、「っちゃった」とも言う。外でしっかり遊んだ後、家に帰って昼食を摂ると、宗矢ときたら、目を閉じながら口を動かし続け、椅子に座ってスプーンを手にしたまま眠ってしまった。宗矢が眠った後は、寛大、実歩、お母ちゃんと私とで、お決まりのトランプに将棋。将棋といっても、回り将棋や、将棋崩しだ。宗矢が起き、3時のおやつを食べてしばらくして皆のシャワーが終わると、私の任務も終わり、無事解放される。

 翌週の土曜日はもう10月に入っていた。保育園で実歩のクラスだけ行事があるということで、娘は我が家に荷物を下ろし、寛大と宗矢を置いて保育園に向かった。家の中では寛大はまずブロックの袋を持って来て居間で広げる。宗矢は「うん」と言って2階の方を指さすので、娘の部屋に入ってラジカセでCDを聴いたり、掃除機を動かしたり。そのうち寛大もやってきて、チョロQや電車、ウルトラマンや怪獣を出して一緒に遊んだ。娘と実歩が帰ってきてからは、近くのバッタの公園に出かけたが、暴れ蚊に襲われ、這う這うの体で帰って来た。昼食後、娘は寛大を連れて歯科へ、その間、宗矢を寝せた後、実歩と将棋で遊んだ。

 トリケラトプスの色塗りがようやくできたのは、次の週の土曜日。色を塗ると、迫力満点。そしてその次の週にニスを塗って完成。深緑色の太い脚は今にも動きだしそうだ。私が作ったお婆さんは、我が家の玄関の下駄箱の上で微笑んでいる。