専業ババ奮闘記その2 秋③

 

 土曜日は、児童クラブを休む寛大と一緒に玉湯の家で留守番をすることがほぼ定着。娘が休みの土曜日は、我が家に子どもたちを連れてくることもあるけど、それは月一回くらいだ。

 九月も後半に差し掛かった土曜日、百均で買った紙粘土で寛大と塑像を作ることにした。

 急に髪を切ってくれという息子の散髪をし、何とか7時に出発。玉湯に着いたら、いつものことながら、まだ孫たちは食事中だった。こんなに早く行くのは、この時間帯、玉湯の家は朝の支度でごった返しているからだ。寛大は食べるのは早いけれど、それからが動かない。実歩は、お手伝いもよくし、手がかからない子なのに、食事がなかなか進まない。一度、実歩のクラスがコロナによる閉鎖になって子守をした際、昼食を食べ終えるのに45分かかった。宗矢は食べては動き、覚えたての「まんま」など言うのでご飯が進まない。何とか実歩と宗矢に食べさせると、今度は歯磨き、顔洗い、着替えが待っている。娘はその間に、子どもたちに指示しながら、食器の片づけ、ゴミの始末、検温をし、ノートに記載するなど動き回っている。やることをすべてし終えた実歩と宗矢を外に連れ出し、プランターや鉢への水やりをし、娘の車に乗せて送り出すとほっと一息。家に入って、寛大の宿題を見てやるというのがいつものパターンだ。

 この日は、宿題をした後、段ボール箱を広げて下敷きにし、その上に紙粘土の袋を二つ乗せた。袋から白い塊を取り出し、まずはほぐし、次に練っていく。台所にあった小さいプラスチック容器に紙粘土をちぎってつけていく。「ババ、何作ってんの」と聞くので、「おばあさん」と答える。「こうして粘土をくっつけていくんだよ」と見せていると、寛大も思いついたようだ。傍に転がっている模型を見て、「トリケラトプス作るわ」と言う。それならばと、台所にあった少し大きめの容器を持って来て、それに粘土をくっつけていった。爪楊枝なども使い、一時間半ものあいだ一心不乱に作っている姿を見ると、一時工作にのめりこんでいた我が長男を思い出す。出来上がったトリケラトプスは、三本角を持ち。太い脚で立つ堂々とした姿だ。「次の土曜日は色を塗って、その次はニスを塗ろうね」と約束した。