専業ババ奮闘記その2 新学期③

 

 新学期がスタートして間もない頃のこと。このところ、日中は点訳をしたり、娘や息子たちの部屋のクローゼットを中心に片付けたりしている。

 その日は、実歩と宗矢の保育所迎えと寛大の児童クラブの帰りの迎えを頼まれていたので、それまでに夕食の準備をと台所でごそごそしていると、娘から電話が入った。「保育所の関係者にコロナ感染者が出たそうで、5時から説明会があるに。仕事早退して説明会に出ることになって、実歩と宗矢の迎えはいいけん。寛大だけ、児童クラブから連れて帰っといてもらえん」とのこと。義母が亡くなったのは第3波の最中で、少し収まったと思ったら、3月末からまた増え始め、今は第4波の最中。コロナがじわじわと近づいてきた感じだ。

 保育所の説明会を終えて寛大を迎えに我が家に寄った娘は、実歩と宗矢を車に乗せたまま、マスク越しに、「明日実歩と宗矢はPCR検査を受けるに」と言う。こちらもマスク越しに、「寛大を休ませるなら、明日畑に連れて行こうか」と言って、その夜孫たちに食べさせるはずだったロールキャベツの入ったタッパーを渡した。娘は、「また、連絡する」と、早々に子どもたちを車に乗せて帰っていった。

 翌朝、一家全員仕事や学校、保育所を休むとの連絡が入る。可哀そうな寛大、入学式後、学校に通ったのはたった三日だ。夫と畑に向かい、帰りに収穫したエンドウ豆を渡しに娘の家に寄る。「ごめんだけど、忠ちゃんと実歩と宗矢の薬をもらいに行ってくれん。感染の可能性があるけん、家族以外の人に取りに来てくれって」ということで、帰って耳鼻科と薬局に寄って薬をもらい、娘の家に届けた。

 その夜電話があり、全員陰性で、娘も忠ちゃんも明日は仕事に出、寛大も学校に行くけど、保育所は休所になるので子守を頼むとのことだ。

 翌朝、玉湯に子守に行く。咳の出る実歩と、熱のある宗矢相手、しかも雨ときている。熱のせいか、宗矢は午前に少し、夕方に二度目の昼寝、その間は実歩とトランプをしたが、それ以外は家の中の探検だ。二階の子ども部屋に行ったり、一階でお絵描きをしたり。一日の長いこと、長いこと。もう、コロナはこりごりだ。早く収まってくれないかなあ。