専業ババ奮闘記その2 新学期①

 

 義母の部屋と仏間の整理はあらかた終えた。ただ、そこから出てきたものを収納するのに、居間や2階の押し入れの整理が必要になり、家全体に波及してきた。ともかく、四十九日の法要は終えた。急ぐ必要はない。おそらく猛暑になるだろう夏までにやればいいか。

 そして、ついに新学期がやってきた。寛大が小学校入学、宗矢は2か月ほど過ごした託児所を去り、実歩と同じ保育所に入所するのだ。

 4月1日、寛大は初の児童クラブ、宗矢は保育所初日だ。私は、寛大を歩いて児童クラブまで送ること、昼前に迎えに行きお昼ご飯を食べさせること、そのあと、初日なので半日で帰る宗矢を迎えに行くこと、この三つを娘から頼まれた。

 朝七時に家を出て娘の家に着くと、母子とも朝食中だった。着替え、検温、歯磨き、顔洗いと怒涛のような数十分の後、娘は実歩と宗矢を連れて家を出た。しばらくしてから寛大と家を出て、児童クラブに向かう。何度か歩く練習はしているが、一山越さねばならず、上りは骨が折れる。「ババ、休憩」「え、もう?」と言いながら頂上を越す。ここからは楽ちんだ。風が吹く度に桜の花びらが雪のように舞う中を、二人で快適に下った。目指す児童クラブは、この春、小学部と幼稚部が新築された玉湯学園の敷地内にあり、幼稚部に隣接する建物の2階にある。開始時刻の8時半前には、すでに何人か子どもたちが入り口付近にいた。「知ってる子いる?」と聞くと、寛大は首を横に振る。少し心配だけど、昼までだ、がんばれと心の中で言いながら先生に引き継ぐ。歩いて帰り、持ってきたパソコンで点訳、11時過ぎから昼食の準備し、寛大迎えにまた歩いた。家に向かいながら寛大に様子を聞く。学年ごとに仕切りされ、一年生の中に知った子は一人もおらず、ずっと絵を描いていたとのことだ。

 昼食を食べ終えると、すぐに保育所へ向かう。2階の宗矢の部屋に上がると、先生の胸の中で眠っていた。託児所に入った時と同様、泣き寝入りをしたらしい。

 我が家に二人を連れて帰り、宗矢を乳母車に乗せ、近くの公園へ行く。寛大はバッタの遊具にまたがり、宗矢は滑り台をきゃっきゃ言って滑った。少しはストレス発散できたかな。