専業ババ奮闘記その2 義母の異変⑧

 

 9月の中旬に差し掛かると、急に気温が下がり、義母は「寒い」「寒い」を連発するようになった。ついこの間炬燵をしまったところなのに。夜用に毛布と大布団を出したけれどまだ寒いと言われ、湯たんぽを入れた。真冬になれば、どうしたらいいのだろう。

 薬が効いてきたのか、膀胱内の血の塊が流れ出たのか、紙オムツが染まらず、トイレに行っても、水がピンクにならないようになってきた。その代わり、脚の痛みに加え、むくみがひどくなり、左脚など表皮が伸びきってぱんぱんになっている。

 このところ、不機嫌になる頻度も、ドンドンも増えてきていて、階段上がり掛けの部屋にいる息子はたまらないようだ。デイサービスでも不機嫌になるとのことで、夫が、「姉貴にいろいろ話してみるわ」と言って、連絡を入れた。

 義姉が来る予定の日、夫に義母のことを頼み、買い物をして帰ると、義母が「息苦しい」と訴える。夫は、「さっき言い合いしたから、それでだろう」と言うが、脚のむくみのこともあるので、車椅子に乗せ、かかりつけ医へ連れて行った。義姉とはそこで落ち合い、一緒に医師の話を聞いてもらう。「心臓も腎臓も元々よくないので、むくみはそのせいかもしれない。体重は減ってないので、様子をみましょう」と言われ、利尿剤をもらって帰った。

 帰ってしばらくは皆で昔話。義母を部屋に残し、3人であれこれ話した。介護認定を再申請していること、施設も念頭に入れていると夫が話すと、義姉もその時期だねと言った。

 同じようなドンドン、「寒い」「熱がある」などの数日を過ごし、家にいる日の朝八時頃に起こしに行くと、「何でこんなに痛い思いせにゃならんだらか」と言われる。痛みが来てしまったか。その日はケアマネさんとの面談日。いつもなら同じ昔話を繰り返すのに、ずっと俯いたままで、途中で何度か顔をしかめる。ケアマネさんが帰られた後も、度々ドンドンし、痛みを訴えられるので、夫が用事を済ませて帰ってきてから泌尿器科へ連れて行った。痛み出したことを話すと、診察せずに紹介状を渡される。その足で総合病院に向かうが、すでに時間外。「自分は専門外なので月曜日に泌尿器科に予約を入れておきます」と、痛み止めの薬を渡された。土日、家で過ごすことになるが、大丈夫だろうか。