専業ババ奮闘記その2 義母の異変⑤

 

 泌尿器科でもらった薬が無くなり、義母を2度目の受診に夫と二人で連れて行った。エコーの写真を示しながら、医者が説明をする。膀胱内にあるのは3センチくらいの塊で、本体とは細い糸のようなもので繋がっているらしい。これが何本も繋がっていたら問題だが、そうでもないようだと言われる。「内視鏡で取ってしまえばいいんですが、何せお歳なので」と医者が言う。義母が90代半ば頃の2年余り、かかりつけ医から肺に白い影があるというので総合病院を紹介され、3箇月に一度検査を受けていた。その時も、「内視鏡で検査をすればいいのですが、お歳がお歳なので。今まで私がした最高齢が80代でしたから」と言われた。まだあの時は90歳代だったが、今は百歳だ。

 出血はあったり、なかったり、痛みの訴えもないことを告げると、もう一週間分の抗生剤と利尿剤を出された。

 夕方、娘が3人の子どもを連れてやってきた。寛大はウルトラマンで遊び、実歩はトランプの神経衰弱。宗矢は座ったり、いざったり。ハンカチを顔にかぶせ、ばあと言って取ると、きゃっきゃと笑い、何度もせがむ。その様子を、車椅子に座った義母が目を細めて眺め、「しゅうちゃん」と何度も声を掛けている。

 その宗矢にも、異変が起きていると娘から知らされた。我が子にそういうことはなかったし、寛大や実歩にもなかったので、どんなふうになるのか想像はできないが、話をきくと怖くなる。大泣きすると、息が止まり、顔が紫になるのだという。最後は息をするので収まるが、その後はぐったりして、眠ってしまうことが多いのだと言う。泣き入りけいれんというのだそうで、20人に一人くらい起き、大概は一歳くらいまでに収まるということだ。「明後日日赤を予約してるに。1歳までに治らんかったら、保育所が心配でね。治らんかったら、育児休暇延長せんといけんかなと思ったり…」

 義母のことも心配だけど、まだ1歳にもならない宗矢のことが気がかりだ。近頃、抱っこすると、脚をばたつかせる。「ほら、喜んでる」と娘。すっかり私にも慣れてきて、愛しさが増していく宗矢。何とか治ってくれるといいが。