専業ババ奮闘記その2 義母の異変③

 

 4週間ごとに血圧の薬をもらいに行くかかりつけ医で、尿に血が混じっていることを相談した。かかりつけ医は、しばらくは様子をみて、量が増えたり痛みが出てきたりしたら考えましょうと言われた。どのパットもピンクに染まっていない日もある。「暑い」「寒い」との訴えはあるが、痛みの訴えはなく、1週間ほど様子を見た。

 そんな中、島根県で、新型コロナウイルス感染者が91人という衝撃的なニュースが走った。高校で起きたクラスターだ。その日は孫たちを潮水につけるため、出雲に行くことにしていた。連日の猛暑、この日も35度を超える予報、絶好の海日和だ。義母をデイサービスに送ってから、娘と孫三人を連れて出雲の家に向かった。道中、孫たちの相手をしながら、娘に義母のことを話す。「鮮血だったら、出口に近いところかな。専門医に見てもらったら」「ちょっと量が増えた気もするから、明日は泌尿器科に連れて行ってみるわ」。孫たちの相手や世話に追われ、話はそれきりになった。

 まずは、畑に寄って水やりをし、作物を収穫してから家へ。着くと、すぐに着替えて海に行った。打ち寄せた流木やらゴミやらで浜は汚れている。コロナ禍で、例年行われている浜掃除が出来なかったのだろうか。それでも、ゴミを避けながら寛大はジジに付き添われ、波打ち際へ走っていく。娘が実歩を誘うが、「こわい、こわい」と大騒ぎで、パラソルの下から出ようとしない。娘は宗矢を連れて波打ち際へ。生後7箇月の宗矢は訳も分からないまま潮水に浸けられ、わーんと短く泣いた。私と砂で遊んでいた実歩も、結局は母親に無理やり水の中に入れられ、これは大泣き。一応皆潮水に浸かった。これで汗疹が治るといいが。シャワーをしてさっぱりしてから松江の家に帰り、昼食、お昼寝といつものように過ごした。

 翌日、二人掛かりで義母を車に乗せ、泌尿器科に連れて行った。「ああ、ここか」と、義母。以前何度か膀胱炎に罹ったことがあり、通っていた医院だ。医院の車椅子を持ってきて、義母を車椅子に乗せ、受付で消毒と検温をしてから中に入る。

 診察の結果、エコーで膀胱を見ると、影があるとのこと。これが血膿なのか何なのかは、よく分からないらしい。抗生剤と利尿剤を処方された。

 その夜、娘から電話があった。「お祖母ちゃん、どうだった」