専業ババ奮闘記その2 コロナ禍の中で⑦
暑くなり、新型コロナウイルス感染第二波が押し寄せてきた。
どこへ行くにも、何をするにもマスクの生活。武道館でする合気道の稽古は、呼吸の鍛錬、基本動作、相手を想定した一人でする型の練習だ。投げたり受け身をとったりはしないので、動きは激しくないが、汗はかくし、不織布のマスクだと息苦しい。で、手拭いで十枚ほど作った。これだと、汗は吸うし、肌触りもいい。以来、どこへ行くにも手拭いマスクだ。
点訳の勉強会ももちろんマスク掛けだ。眼鏡をかけると、この手拭いマスクでも眼鏡が曇って見えなくなる。勉強会では何とか裸眼で目を細めながら点訳をしている。
東京オリンピックはコロナ感染拡大のため一年延期となったが、海の日やらスポーツの日やらで休みが続いた。どこにも出られない中、三人の子守りは大変なので、娘には三日連続で手伝いを頼まれた。義母がいる日はうちに来て、デイサービスに行く日は私が玉湯に出かけた。梅雨がまだ明けず、家の中で遊ぶしかない。寛大はブロックとテレビ、実歩はパズルとあまいブロック。岡山のおもちゃ王国に行った際、長男に買ってやったブロックで、棒状のものやら、雪の結晶のような形のものやらを自由に組み合わせるものだ。少し複雑なものなので、寛大にと出してやったのだが、実歩の方がはまってしまった。組み合わせる時、かなり力がいる。テーブルの上に置いて、かちっとはめて見せると、すぐにコツを覚え、どんどんつないでいくようになった。一つだけ、はめると緩いのがあって、「これ、あまいね」と言って以来、実歩は「あまいブロックする」と言うようになった。
宗矢は、寛大や実歩が小さい時によく聞いていた歌の本を開いて遊ぶようになった。遊ぶというよりも、本に付いている太鼓叩き用の棒をくわえていることが多い。何でも口に入れたがる時期なのだ。
「ごめんね、毎日。お祖母ちゃんで大変なのに」と娘。「最近、雄二も含めて婆さんのことを話すことが多くなったわ」と返す。不機嫌になることが増え、暑さ寒さの感覚がおかしくなったことに加え、最近は昼夜逆転気味で、夜中に襖を叩くことが多くなってきていた。