専業ババ奮闘記その2 虫捕り①

 玉湯と我が家、連日三人の孫たちと過ごし、宗矢は少しずつではあるが、私に慣れてきた。これ幸いにと、娘は顔を合わせるなり宗矢を私に預けるようになった。

 そんなある日、義母をデイサービスに送ってから玉湯に寄り、娘の車で私たち夫婦と娘たち母子四人で出雲の畑に向かった。「まだあ?」「まだ着かんの?」を連発する寛大と実歩の気持ちを逸らしながら一時間後ようやく私の実家に到着。荷物を降ろし、まずはサヤエンドウ採りにカボス畑へ。寛大と実歩はそれぞれにはさみを持って一つひとつ摘んでいった。

 次はゴンダ畑。ここは主に水やりだ。大根は半分以上枯れてしまっている。ホウレンソウもレタスもぽつりぽつり。たっぷりと水はやったものの、どれだけ生き残るだろう。収穫したのはアスパラガス二本、ブロッコリーの枝だけ。

 寛大はといえば、虫捕り網を手に、モンシロチョウを追いかけている。網を振り回している姿を見ていると、長男が小さい頃を思い出す。実歩はテントウムシを見つけて喜んでいる。ブロッコリーの黄色い花の周りをミツバチが飛び回っているので、寛大と実歩には離れるように言う。

 暖かな日差しが心地よく、空気の爽やかな日だったので、弁当は玉湯への帰り道、どこかの公園で食べようということになった。時間的には宍道あたりが適当だと、総合運動公園に入ろうとしたところ、入り口に鎖縄がかけられている。玉湯の家のすぐ近くではあるが、玉造史跡公園にしようと、駐車場に入ろうとしたら、そこも閉館の札が出ていた。コロナの影響で、あちこち閉鎖されているようだ。駐車場に停めてある車があったので、その横に車をつけ、道路を挟んだ下の公園にシートを広げ、弁当を食べた。食事の後、寛大は蝶探し。「ほら、モンキチョウ」「あ、アゲハだ」と、寛大と一緒に私も蝶を探していた。

 玉湯の家に帰り、子どもたちを昼寝させる。絵本はやはり寛大が自分で読みたがり、覚えたところは早口で、そうでないところは一字一字辿りながら読む。実歩はすぐに高いびき。寛大は蝶のことが頭から離れないのか、なかなか眠れないようだった。