専業ババ奮闘記その2 ババルウ星人④

 新型コロナ感染者が広がり、松江でもクラスターが起きてから、寛大と実歩は保育所を休ませることになった。忠ちゃんがお休みの日曜日を除き、義母が家にいる日は娘が三人の子どもを連れて我が家へ、デイサービスがある日は私が玉湯に行って子守という日々が始まった。

 このところ、お母さん以外は受け付けない宗矢。玉湯の家に着くなり、実歩の薬をもらいに行ってくると娘が言うので、そんな宗矢も含め三人を預かることになった。平仮名が読めるようになった寛大は、絵本を開いて読んでいる。実歩は私にまとわりついてくるけれども、宗矢を抱っこしているのでなかなか相手をしてやれない。その宗矢はというと、お母さんがいなくなった途端泣き始め、あやしても、実歩に頼んでマーケット袋をぐしゃぐしゃと鳴らしてもらっても、一向に泣き止まない。一時間泣き続けた後、眉をしかめたままの顔で寝た。ようやく腕の中で宗矢が眠って三十分ほど経った頃、娘が帰ってきた。

 前に住んでいた住宅街にあるアパートとは違い、新居の裏は山、庭が広く、少し歩くと集会所があり、そこには公園もある。宗矢の目が覚めてから、その公園に歩いて行った。空模様が怪しくなったので、早々に引き上げるが、あと少しで家だというところで雨が降り出した。道路わきの家の軒先に入る。小さい子二人の足と乳母車を押してでは十メートルも歩けばびしょ濡れだ。「車取って来るわ」と娘が走って家に向かった。目と鼻の先にある家に娘の車でたどり着き、はあっとため息を吐く。

 昼食後、寛大と実歩に絵本を読んでやる。字が読めるようになってきた寛大は、自分で読みたがる。絵本の後、昔話をしてやると、実歩、寛大と順に寝息が聞こえてきた。娘と宗矢も眠り、することが無くなった私は散歩に出かける。幸い雨は上がっていた。

 散歩から帰ると、昼寝から起きた寛大や実歩と遊び、締めは寛大と戦いごっこ。「ババルウ星人だ」「スペシウム光線、発射!」という具合に。