専業ババ奮闘記その2 里帰り③

 ビニール製のバスタブの空気漏れをビニールテープで補修はしたものの、買ってから五年半、寛大、実歩が使い、三人目ともなると、完全修復は無理だ。連日、空気が抜けて萎まないうちにと、娘と二人汗をかきかき宗矢の沐浴をさせた。

 夜は、実歩が寝入り端に咳をしたり、夜中に鼻が詰まったりで寝苦しそうにしている。それでも、保育所を休むほどのことではなく、何とか二人とも保育所に通ってくれた。義母の方は身の回りの世話をして、デイサービスに送り出したり、かかりつけ医に連れて行ったりの日を過ごし、宗矢がうちに来てから初めての週末を迎えた。

 この日は、義母をデイサービスに送ると、夫も息子も遊びに出、家には娘と三人の孫、そして私の四人が残った。ふと、三十年前の光景がよみがえってくる。私が二男を産んで、まだ一か月も経たない頃、夫は二泊三日の職員旅行、義母は姉妹でやはり二泊三日の温泉旅行に出かけ、三人の子と私が家に残された。生後一か月の乳児がいるので、長男を保育所にも送れず、三人の子を二日間家の中に押し込めて過ごした。幸い夏休みに入ったばかりの暑い日で、ビニールプールに水を溜めて水浴びをさせることができたのには助かった。一年生になって、友だちができ、本当は外で友だちと遊びたいであろう娘も、私の事情を察して、弟二人と家でずっと過ごしてくれた。

 娘には、私が職場の運動会で休めず、夫も病み上がりで運動ができなかったため、二男の保育所の運動会には、親代わりで競技に出てもらったこともある。親の都合でいろいろと我慢をさせたり、無理をさせたりしてきた。逆に今、娘にはできるだけのことをしてやらねば。

 この日は、パンとクレープを寛大、実歩と一緒に作った。宗矢を風呂にも入れねばならず、目まぐるしい忙しさだった。その分、焼き立てのパンの美味しかったこと。寛大は三個半、実歩も二個半食べた。デザートのクレープを食べる実歩は、口の周りを真っ白にして笑っている。

昼食後、母子四人が昼寝したので、二階に上がって炬燵にはまると、睡魔が襲ってきた。