専業ババ奮闘記その2 出産⑥

 娘が第三子を産んで四日目は土曜日。実歩の産前休暇の際もだったが、産休に入ってからの土曜日は子どもたちを保育所に連れて行っていない。いつもよりはゆったりした時間が流れていく。朝食の準備をし、義母の身の回りの世話をしてから孫たちと一緒に朝食を摂る。

 義母をデイサービスに送り、寛大と実歩を連れてお母ちゃんと弟に会いに行った。実歩も、「おかあちゃあん」号泣騒動があってからはすんなりお母ちゃんに近づいていく。初めてしっかりと目を開けている赤ん坊を見た。忠ちゃんのお母さんによく似ている。名前はまだ確定ではないが、宗矢になりそうだ。寛大も実歩もウ冠の漢字で始まる。前にウ冠の漢字をずらり並べた紙を持ってきて、「どの字がいいと思う?」と聞かれた。字、宣、宅、宙、家などなど。なかなかぴたっと来るものがない。一番名前に使われていそうなのが宗だった。男だと宗徳、宗幸、女だったら、宗子、宗美…。「寛大みたいに三音がいいに」と言うので、「男の子だったら宗斗(しゅうと)は?」と言ったが、却下された。名付けるのは娘たち夫婦だ。宗矢か。ちと言いにくいが、宗ちゃんなら言いやすいかも。

 産院を出てから、夫の運転で寛大と実歩を原子力館に連れて行った。思う存分遊ばせてから、帰って昼食。二人とも、親子丼をおかわりして食べた。

 明日の日曜日、娘と赤ん坊は退院だ。忠ちゃんは、仕事を終えると寛大と実歩をうちに迎えに来て家に連れ帰り、一晩過ごすという。そして、日曜日は父子で娘と赤ん坊を病院に迎えに行き、夕食前に母子四人を我が家へ連れてくるとのこと。約一日、私は自由の身になる。束の間の休息だ。

 夕食は寛大の好きなビビンバにした。やはりおかわりをした。食事が終わった頃、忠ちゃんが迎えに来た。

 久々にゆったりした夜を過ごす。焼酎のお湯割りをちびりちびりやりながら、ためていた録画を見る。疲れているせいか、すぐに酔いが回った。明日からは、赤ん坊の世話も加わる。出産祝いにちょっとした膳も準備もしなければ。今夜はしっかり眠っておこう。