続人生の踊り場 54 厄払い
2月下旬のことですが、出雲大社北島国造館にお参りして、数え歳61の厄除けの御祈祷をしていただきました。
観光客の皆さんにとって出雲大社とは平成の大遷宮が行われた、いわゆる千家さんを思い浮かべるでしょうが、我々地元の民にとっての出雲大社とは本殿の東に位置する北島国造館、通称北島さんを指します。千家さんは神社庁管轄下の神社であることに対して、北島さんは厳密には神社ではなくて出雲教という宗教施設になるようです。
私も妻もそれほど信心深いほうではないのですが、形だけでも厄払いをしておかないと万一災厄が降りかかったときに後悔するでしょうし、厄払いをしたのにも拘らず何か起きたときは、この程度で済んだと思うことが出来ると考えれば安心なのです。
そしてそれは、ひと月も経たない内に現実のこととなりました。妻と二人で横断歩道を青信号で渡っているときに左折車に撥ねられてしまったのです。私の右隣を歩いていた妻に前方不注意の軽自動車が衝突して、その弾みで私にもぶつかって二人とも道路上にひっくり返ってしまいました。夜の出来事でしたが、青天の霹靂としか例えようがないほどの驚きと衝撃でした。
幸い私は軽い打ち身程度で済みましたが、妻は病院で診察を受けて全治二週間の打撲傷と診断されました。その後、少し落ち着いてから妻がこう言ったのです。「私だったから厚い脂肪がクッションになって打撲傷程度で済んだかもしれんけど、もしおとーさんに直接車がぶつかってたら骨折してたかもね。」冗談ではなく、確かにその通りだったかもしれません。妻には気の毒ですが、脂肪と神のご加護でこの程度で済んだと考えるより仕様がありません。
それにしても車に撥ねられた衝撃がこれほど激しいとは思いも寄らぬことでした。相手が発進直後の低速の軽自動車でさえこの有様なのですから、高速で走行している普通車に撥ねられたとしたらひとたまりもないでしょう。想像するだに怖気を震ってしまいます。
車の衝突防止装置も万一の際に備えるシステムであり過信するのは禁物です。例え煽られようが私は安全運転に務めます。後続車の方、悪しからず。