手作りのくらし2 金山寺味噌(2)

 スーパーに行くと、百グラム入りや二百グラム入りの透明なプラスチックパックに入った金山寺味噌が売れている。散歩ついでに入った店で探して買って帰り、夜、箸で麹の粒や、漬物や大豆をつまんでは焼酎のお湯割りを飲む。百グラム入りは、一週間もたない。
 パックによっては、汁気の多いもの、少ないもの、大豆がたくさん入っているもの、ほとんど入っていないものなど、製造元によって違いがある。金山寺味噌ではなく、もろみを買ったこともあるが、少し甘みが強く、汁気が多いので、やはり金山寺味噌だけを買うようになった。
 そのうち、空きパックがかなりの高さになったので、こうもはまってしまったなら、自分で作ってみようと思い立った。ほぼ毎週行く点訳の勉強会の帰りにいつも寄る業務スーパーに入って、豆腐などが並ぶ棚を探していく。おからがあるから、このあたりかなと思って見ていくと、四百グラム入りの麹の袋が見つかった。それを手にしたら、隣に金山寺という袋があるのに気が付いた。麹の米粒がぼこぼこの塊になっている。どちらにしようか迷ったが、金山寺と書いた袋の裏には、金山寺味噌の作り方が書いてある。さっと読んでみると、割と簡単にできそうだ。これに決めた。
 帰ってさっそく作り方を見て、材料の準備をする。ナスの漬物はこの時季にはないから、ニンジンと大根を細く小さく刻んで塩で揉み、即席の浅漬けを作る。砂糖と醤油を計量し、鍋で沸騰寸前まで温める。人肌くらいに冷めたところに、金山寺、しっかり絞ったニンジンと大根の浅漬けを入れ、みじん切りにしたしょうがも入れる。時々混ぜながら二週間置くと、出来上がるようだ。二週間後といえば、年明けか。正月から自家製の金山寺味噌で焼酎が飲める。楽しみだなあ。