手作りのくらし2  干し柿

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 我が家の干し柿に黴がきてしまった。これは一体どういうことなのか。一回目、二回目とも早い時期で、気温は高かった。その時はできなかったのに、冬に近づいて黴がくるとは解せない。とにかく何とかしなくちゃと、消毒のつもりで焼酎を吹きかけてもみたが、黴はひるまない。それどころか少しずつ広がってきている。そう言えば、Oさんは冷凍したと言われた。こちらはひとまず冷蔵庫に入れ、もう少し寒くなってから干し直すことにしよう。ベランダに吊るした、生乾きというより熟柿に近い柿をビニール袋に詰め、冷蔵庫の野菜室に入れて、もう少し寒くなるまで待つことにした。
 一週間ほど経った頃、もういいだろうと思い、冷蔵庫から出そうとしたら、熟柿に毛の生えたような柿のことだ、袋の下の方はべちゃべちゃになっているではないか。何とかまだ干せるものは吊るし、べちゃべちゃのは干し網の中に入れてベランダに吊るした。
 気温が低くなったからと外に出したのも大失敗。すぐにコバエが寄ってきて、透明の汁が滴る柿に群れてきたのだ。黴の次はコバエかい。干し網の中の柿はもうどろどろの汁と化し、救いようがないので捨てるしかなかった。紐に残っているものは部屋の中に入れ、床に新聞紙を敷いた上に吊るした。新聞紙はすぐにべちょべちょ。次の日には、部屋にもコバエがやってくるので、扇風機を強にして一日中かけた。コバエは見つけ次第、一匹ずつ退治していく。が、黴は増えていくばかりだ。黴がひどいのは、紐から外し、黴のついた部分を削って冷凍庫に入れていく。その数は日に日に増え、三十を超えた。結局、残ったのは三十ばかり。それでも、その後何とか持ちこたえ、干し柿の体裁をとどめている。
 そして、冷凍した生乾きの柿はというと、二十年近く作り続けているカスピ海ヨーグルトに入れ、ジャム代わりに食べている。でも、毎日だといい加減飽きてきたなあ。