手作りのくらし2  干し柿

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 1回目、2回目と出雲の柿を収穫。すでに200を超える数を採ったのに、まだ橙色の艶々した実が相当数ぶら下がっている。畑仕事を早めに終え、柿採りにかかった。
 夫が高枝切りばさみで実を採り、私は下で実を枝から外す。傷ついているのは我が家分に、傷のない形の良いのを贈り用にと分けていく。贈る相手は、前回の大量収穫の際に柿をもらってくれた人たち。その人たちなら、柿の始末を面倒がらずにしてくれるだろう。
 そうして分けている際、思わず「なんだこりゃ」と声をあげてしまった。双子の柿、しかも、それぞれに棘のようなものまで付いている。私の声に近寄ってきた夫も、「こんなの初めて見たわ」と手に取って眺めていた。
 翌日は柿配りをし、我が家分の処理をする。今回は、松江の家の裏庭にある西条柿が食べごろになったので、合わせ柿はせず、全部干し柿にすることにした。一回目、二回目とうまくできた干し柿は大概人にあげてしまった。今回は家用だ。百個近くあるけど、多ければまた人にあげればいいやと思いながらどんどん皮をむき、荷造りロープでつないでいく。仕上げとして、沸かしていた熱湯に十秒ほど浸けて殺菌処理し、ベランダに吊るしていった。
 そうして三~四日経ったある日、柿をあげた人から電話が入った。「柿に黴がきたけど、どうすればいい」とのこと。「熱湯に浸けました?」と尋ねると、「さっとね」と言われる。「うちは十秒くらいしますよ」と答えると、「もう一回やってみるわ」とのこと。次の日、ふと思いつき、「焼酎を吹きかけたらどうでしょう」とこちらから電話をした。それもしたとのこと。結局はうまくいかず、そのまま冷凍するとのことだった。
 我が家で柿を干した際、黴が生えたことはない。それでもと思い、ベランダに行ってみた。うわっ、何と、うちのにも黴がきているではないか。